2015/09/20(日)「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド 」

 原作とはまったく違う。前編は8割ぐらいは原作のプロットをなぞっていたが、後編はまったく異なる展開となる。巨人の謎が明らかにされ、戦う敵の設定も変えてある。連載中のコミックを映画化する上で、これも一つの方法だ。原作通りに作って破綻の末に討ち死にするよりは、はるかに賢明な選択だったと思う。

 進撃ファンダメンタリストは怒るだろうが、個人的にはこの改変、悪くないと思った。こういう展開にするから、原作のリヴァイをシキシマに変えるなど細かい変更をしていたのかと納得した。最後まで見て思い浮かべたのはM・ナイト・シャラマンの某作品。B級SFにありそうなアイデアなのである。

 ただ、残念ながら話が小粒になった。原作のスケール感がなくなった。前編で開いた壁の穴を塞ぐ攻防が中心になるので、これは仕方ない面もある。それと前編同様にドラマの盛り上げ方がうまくない。謎の解明に話を割いた結果、主人公たちの感情の動きがうまく描けていない。これは主に監督の責任だろう。

 謎が謎を呼ぶ原作とは別物と思って見れば、別段、腹は立たない。

2015/09/13(日)「キングスマン」

 この映画のクライマックス、何かで見たなと思って少し考えたら、「マーズ・アタック! 」(amazonビデオ)じゃないか。軽いノリのブラックな味わいも同じだ。もちろん、全体としては007シリーズが根底にあり、それに「マイ・フェア・レディ」のプロットを借りて、いろんな過去の映画をパロディ一歩手前の感じでまぶしてある。敵役のサミュエル・L・ジャクソンのキャラと陰謀はいかにもコミック原作で、同じ原作者&監督コンビの「キック・アス」の変奏曲みたいな印象だ。「キック・アス」が好きな人はこの映画も気に入るだろう。

 凄いアクションを英国紳士風に颯爽と演じるコリン・ファースと、アスリート用の義足を武器に相手の手足をバッサリ切断するソフィア・ブテラが光ってた。こういうオリジナルな部分があるから、過去の映画をいくら引用してもパクリにはならず、面白い映画に仕上がるのだろう。

2015/08/30(日)「カワサキ・キッド」

 東山紀之の自伝的エッセイ。昨年11月、本と雑誌のニュースサイト「リテラ」が「反ヘイト本」として紹介して大きな反響を呼んだ( http://lite-ra.com/2014/11/post-665.html )。それが単行本出版から5年を経ての文庫化を後押ししたのは間違いないだろう。5年前にはヘイトスピーチなんて言葉は一般的ではなかったから、もちろん反ヘイトを意図して書かれた本ではない。

 この本を貫いているのは素直で真っ当なものの見方と考え方だ。だから読んでいてとても気持ちよい。そして何より面白い。タレント本の先入観を捨てて読むべき良書で、読み終わる頃にはヒガシのファンになっていること請け合いだ。

2015/08/29(土)「きのこ雲の下で何が起きていたのか」

 8月6日に放送されたNHKスペシャル。録画しておいたのをようやく見た。胸をかきむしられるような番組だった。原爆投下3時間後に中国新聞の記者が撮影した2枚の写真を詳細に分析して被爆直後の様子を再現する。証言を基にして写真をCGで動かすというのが凄すぎる。

 写真に映った人たちの中で生き残ったのはわずかに4人。「70年頑張ってきたんだから」と話す90歳の坪井直人さん、「何のために生かされてきたんでしょうかねえ」と話す83歳の河内光子さん。大やけどを負い、水を求めて無残に死んでいった周囲の人たちにすまないと思いながら戦後を生きてきた2人の証言は重い。

 この番組、核兵器の恐ろしさを伝えるために国内だけでなく、世界の人たちに見てほしい。YouTubeにアップされているが、そのうち削除されるのだろうか(その後削除された)

2015/08/23(日)ヨドバシ・ドット・コム

 ミキサーのふたのパッキンが破損したので、販売している通販サイトを探したら、ヨドバシ.comが出てきた。「amazonを猛追している」と評判で、ユーザーの満足度もトップらしい。パッキンは1個324円。送料を考えて2個注文したら、送料無料だった。amazonや楽天では送料600円余り。送料無料でやってけるのかと余計なお世話の心配をしてしまうが、驚いたのは在庫が1個しかなかったらしく、数時間後、まず1個を発送すると連絡が入ったこと。さらに翌日、残りの1個を発送したとの連絡。どこかの店舗にあるのなら2個確保してから送ればいいのに、速さを重視しているのだろう。324円の商品をゆうパックで送ったら、間違いなく赤字でしょう。郵便局と大口契約で料金安いのかもしれないが、それでも赤字ではないか。ヨドバシ、凄いなあ。これからビシバシ利用させていただきます。

 ただし、ミキサーのメーカーであるパナソニックの通販サイトパナソニック ストアを見たら、ここも送料無料。価格の見積もりができるのでやってみると、なぜか1割引になり価格はヨドバシより安くなった。初めてのサイト利用だったことのサービスなのか? パナソニックの製品に限られるけど、消耗品や部品に関してはここも侮れないのだった。