2015/10/10(土)「特捜部Q 檻の中の女」

 ユッシ・エーズラ・オールスンの原作の本筋をコンパクトにまとめている。主人公と相棒のアサドにも違和感はない。映像のセンスも悪くない。しかし、原作の大きな魅力となっているユーモアがない。筋を追うのが精一杯で、そこまで手が回らなかったのだろうが、残念。

 最後のセリフで言及される“秘書”はアサド以上におかしなヤツなので、シリーズ化するならユーモアを入れてほしいところだ。この原作を映像化するには映画よりも余裕のあるテレビシリーズの方が向いているのかもしれない。

2015/10/08(木)LANカード交換

 たまにネットの接続が切れる。再起動したり、しばらく待っていると回復するので、IPアドレスが時々変わるためかなと思っていたが、amazonプライムビデオを見ていて急に切れるようになった。DLNAでブルーレイの録画作品を見ていても切れる。これはどうもオンボードのLANアダプタに障害があるようだ、5年近く使っているのでガタが来てもおかしくはない。1個空いているPCIスロットにLANカードを挿してみることにした。

 amazonでI-O DATA 1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T対応PCIバス用LANアダプター ETG3-PCIを購入。久しぶりにプライムで注文してみたが、やはり届くのが早い。24時間余り。これだけでも入る価値はある。このLANカード、箱にWindows10対応とは書いてないが、アイオーデータのホームページの対応状況を見ると、対応製品に入ってた。

 パソコンのガワを開けてLANカードをPCIスロットに挿そうとしたが、なかなかうまくいかない。DELLのパソコンは内部が少し狭くて作業がしにくいのだ。カードの金具も邪魔なので、それを外してなんとか挿して起動。でも認識しない。ああ、そうだった。オンボードのLANアダプタを無効にしなくてはいけないのだ(と思ったが、スロットにちゃんと挿さっていなかったのかもしれない)。再起動してBIOSの設定画面を開いて該当箇所をDisabledに変更して起動したら認識した。ところが、プライムビデオがそもそも起動しない。うーん。よく分からないが、再びBIOS設定でオンボードを有効にしたら見られるようになった。

 とりあえず、プライムビデオを見ていても接続は切れなくなった。回線速度は10Mbpsほど向上。しかし、このカード古いのでドライバにIPv6の設定項目がない。ま、支障はありませんが、安いからと言って機能をよく見ずに買ってはいけません。

2015/10/03(土)しつこいPhish Wall

 ネットバンキングのフィッシング詐欺防止ソフトPhishWallクライアントはWindows10に対応してない。いや、Internet Explorerだけには対応しているらしいが、Firefoxを標準ブラウザにしているのでインストールしていてもあまり意味がない。というわけでアンインストールしたのだが、Windowsを起動するたびにネットからダウンロードしてインストールしようとする。それをWindowsが「危険を及ぼす恐れがあります」というダイアログを出して止めようとする。アンインストールしてあるのになぜだろう。

 通常のPhish Wallクライアントとゆうちょ銀行専用PhishWallクライアントの両方をいつの間にかインストールしていたのが原因らしい。たぶん2カ所のネットバンクのリンクから別々にインストールしたのだろう。ゆうちょ銀行専用を再インストールしてアンインストールしたらOK。

 ネットバンキング関連ではIBM Security Trusteer Rapportもインストールしている。こっちはWindows起動時に自動起動するが、ウイルスバスターのシステムチューナーが「起動に時間がかかっている」と注意をうながす。7秒ぐらいかかっているので、そう言われればそうなのだが、バスターも相変わらず余計なお節介をしてくれる。

2015/09/28(月)「大越健介 メジャーリーグをゆく」

 サイゾープレミアムの高須基仁による批評「NHK大越健介キャスターが2時間特番で見せたキャッチボールと涙は、強烈な反撃だ!」がとても良い文章だったので昨日、NHK BS1で再放送された「大越健介 メジャーリーグをゆく~知られざるアメリカの素顔~」を見た。8月に放送されて評判を呼び、再放送を要望する声が多数寄せられたらしい。昨日の再放送は既に2回目(放送は計3回目)だった。

 3月まで「ニュースウオッチ9」のキャスターを務めた大越さんが大リーグの現場を歩いて人気の秘密を探る内容。5世代にわたってレッドソックスのファンの女性や松井秀喜、川崎宗則、大リーガーを夢見る大学生、その大学生を無償で支える女性、プエルトリコの少年たち、シーズン70本塁打の記録を作ったマーク・マグワイアなど多数の人々を取材していく。高須基仁はこう書いている。

 かつてソフトバンクで活躍し、今はマイナーリーグに所属している川崎宗則選手も取材した。メジャーリーグに上がるのは大変ではないかと尋ねると、川崎は「楽しくてしょうがない」と語った。マイナーだろうとメジャーだろうと、毎日野球をする、毎日仕事がある、こんな楽しいことはない、と。川崎の父親は、ひとり働きの電気工事屋だという。毎日、休みなく仕事をする。そんな父親はプロフェッショナルだ、とあっけらかんと語る川崎に、大越はまたキャッチボールを頼んだ。ピシッと捕りやすい球が返ってきた。

 ところどころ、大越の横顔がカットインされるのだが、眼鏡の奥で泣いていた。涙を落とすわけではないが、にじませていた。何度も何度も。

 番組を見ていて微笑ましくなったり、胸を打たれたりするのは夢見る人々や逆境にいる人々を取り上げているからだ。東大野球部のエースだった大越さんは日米学生野球で30年以上前にマグワイアと対戦したことがある。大越さんはこう聞く。「私もあなたも既に50代ですが、今、なにか夢はありますか?」。薬物使用疑惑で球界を一時離れ、今はドジャースの打撃コーチを務めるマグワイアは少し考えて答える。「今がまさに夢の中だよ。若いころから選手を指導するのが夢だったんだ」。

大越さんの「ニュースウォッチ9」降板は左遷といわれた。安倍政権べったりの会長の下で庶民目線で政権批判をする大越さんの存在を目障りに思う上層部がいたのだろう。高須基仁の「強烈な反撃」という言葉は降板に対する反撃を指すが、それを抜きにしても良い番組だった。

2015/09/27(日)「ウォーリアー」

 KINENOTEで1位になったアニメ「心が叫びたがってるんだ。」を見た。小学生の頃のある出来事によって話さなくなった少女・成瀬順が主人公。順の話したことがきっかけで両親は離婚する。心にあることを何でもしゃべってしまうので、玉子の妖精に呪いをかけられた(と思っている)順は高校生になっても話さない。話すと、腹痛が起きる。先生の指名で地域ふれあい交流会の実行委員になった順がミュージカル上演を目指してクラスメートと心を通わせていく姿を描く。

 テーマは重たく、描写は軽やかなのが美点で、良くまとまった作品だと思う。ただ、なんとなく食い足りない。どこが悪いというわけではなく、減点する部分は見当たらないが、世評ほど高く評価する気になれない。強いて言えば、アニメの技術に目新しい部分がないことが少し不満なのだが、スタッフはアニメの技術に力を入れているわけではない。ここにあるのは物語をきちんと伝える過不足のない技術で、それ以上のものは目指していない。それを批判するのは筋違いというものだ。だが、それなら実写でも小説でも良かったのではないかという思いも拭いきれないのだ。

 などと考えながら、KINENOTEを見たら、公開中映画ベストテンの1位がこの映画から「ウォーリアー」に変わっていた。「ウォーリアー」という作品はまったく知らなかった。調べてみると、2011年の作品で6月に東京で単館公開され、8月にDVDとブルーレイがリリース。同時にamazonやGoogleでネット配信が始まった。9月19日から再び単館公開されており、劇場公開中作品としての資格ができたわけだ。このベストテンにDVDリリース済みの作品が入るのは珍しい。というか、初めて見た。気になったのでamazonインスタントビデオで見てみた。

 総合格闘技を舞台に一家離散した兄弟と父親の関係を描く。主演は兄を演じるジョエル・エドガートン、弟を「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のトム・ハーディが演じる。ハーディはこの映画から注目されたそうだ。監督はギャヴィン・オコナー。

一家が離散したのは父親のアルコール依存症が原因。母親と弟は家を出る。母親の死後、弟は海兵隊に入るが、除隊して14年ぶりに父親に会いに来る。総合格闘技の大会スパルタンに出るため、父親にトレーナーを依頼するのだ。高校教師となった兄は心臓を患う娘の治療費のため銀行に多額の借金があり、家を差し押さえられそうになっている。家と妻子を守るため総合格闘技の試合で日銭を稼ぎ、知人のジムに通うようになる。そして同じくスパルタンに出場することになる。

兄は関節技を得意とし、弟はファイタータイプという設定。弟がパンチ一発で勝ち上がっていくのに対し、兄はボコボコに殴られながらも、間一髪の逆転で辛くも勝ち上がる。そしてロシアの世界チャンピオンと対戦することになる。

 ドラマもよくできているが、映画の半分ぐらいを占める試合場面がいい。兄と弟の背景を踏まえて描き、歓喜と感動が渦巻く。観客を揺さぶる感情の振幅が大きいのだ。父親役のニック・ノルティがダメ男を情けなく渋く演じており、これはもしかしたらと思ったら、案の定、2011年のアカデミー助演男優賞にノミネートされていた。