2013/05/10(金)「野獣の青春」

 懐疑的な目で見始めたら、途中から引き込まれた。鈴木清順独特の演出は所々に見られるが、それは映画を効果的に語るために使われ、それだけが浮き上がっていないのが良い。ジャンルアクションの傑作と思う。

 「血の収穫」+「さらば愛しき女よ」風のストーリーをハードボイルド調にまとめてある。二枚目半になる前の宍戸錠の演技を堪能でき、小林昭二、金子信雄、信欣三、渡辺美佐子、郷鍈二ら一癖あるキャストがそろっている。原作は大藪春彦の「人狩り」。脚本は池田一朗(隆慶一郎)と山崎忠昭。問題は内容をまったく伝えないタイトルで、「野獣の街」などとすると良かったと思う(エルモア・レナードに同名の小説があるが)。

 渡辺武信さんは「日活アクションの華麗な世界」の中で「日活アクションの世界の成熟と深まりを示した傑作」と評している。

2013/05/09(木)ジェネリック医薬品について

 家内は発熱、僕は喉がいがらっぽく、体がだるい。連休中に発熱で寝込んでいた長男の風邪がうつったらしい。昨日、病院に行ったら、家内はインフルエンザB型だった。僕は陽性反応は出なかったが、「たぶん潜伏期間でしょう」とのことでインフルエンザの可能性が高いようだ。というわけで、夫婦それぞれタミフルと解熱剤を5日分処方してもらった。午前中はそれほどでもなかったが、だんだん熱が上がって昨日は結局37.8度まで。今朝は少し下がった。

 で、昨日、調剤薬局の人から「ジェネリック(後発)医薬品を使用しますか?」と聞かれた。なんとなく「いいえ」と答えたが、使ってみれば良かったかな。どれぐらい価格が違うんだろう。Wikipediaによると、日本ではジェネリックの使用は進んでいないそうだ。欧米では5割の普及率なのに日本では1割程度とか。

 先発医薬品に比べて効果は変わらないといわれる。なのにジェネリックを選びたくないのは効果に疑問を感じる心理があるからだろう。自分のためだけでなく、国全体の医療費抑制のためにも積極的に選んだ方がいいのだと思う。

 最近、何かでジェネリックについて読んだ覚えがあったので、調べてみたら、吉本佳生さんの「クルマは家電量販店で買え!」の第4章だった。

 ジェネリックは先発薬より2割から8割安いそうだ。国別のシェアを見ると、日本はジェネリックが19%しかないのに、フランス39%、ドイツ56%、イギリス59%、アメリカ63%となっている。気になる効果だが、後発薬メーカーは先発薬の20年間の製造特許が切れた後に製造するので、成分などもそっくりそのまま真似して作って何ら問題はない。ならば、同じような効果が期待できると考えてよいのではないかと思う。

 後発薬メーカーが安く販売できるのに、先発薬メーカーがそれをやらない点について、吉本さんは「価格を下げても販売量はそんなに変わらず、利益を下げることになるから」と指摘している。例えば、価格を5割下げると、同じ利益を上げるには今までの2倍の販売量が必要になる。損すると分かっていることをメーカーはやらないのだ。

 というわけで、どう考えても、ジェネリックを選択する方が合理的だ。以前はジェネリックを使うかどうかなんて聞かれたことはなかった。国の指導があったのかもしれない。どうせ聞くなら、「同じような効果で価格の安い薬を使いますか?」と聞いてもらえば、ジェネリックを選択する人が増えるのではないかと思う。ジェネリックと言っても、高齢者には分からないかもしれない。

 僕は解熱剤を処方されてもほとんど飲まない。かなり高熱の場合を除けば、熱は出たままにしておいた方がいいからだ。どうせ飲まないなら、高い料金を払うのはバカバカしい。次からは積極的にジェネリックを使おう。

2013/05/06(月)「人狼村 史上最悪の田舎」

 2011年のスペイン映画だが、60年代のハマー・プロの作品を思わせる作り。シチェス映画祭作品賞ノミネートだそうだ。シチェスならでは。本筋に入るまで30分ほどかかるのが難だが、それからのブラックなユーモアがいい。主人公が指2本を失う展開が笑えた。

 今時珍しい着ぐるみの狼男も慣れてくれば、気にならない。出だしはムムムと思ったが、結局、好感をもって見終えることができた。脚本もそれなりに工夫している。

2013/05/06(月)Facebookのメール投稿は無理?

 tDiaryやWordpressはメールで更新できる。それならFacebookもできるだろうと思って調べたら、ガラケーからのメール投稿には対応していた(投稿用メールアドレスとは何ですか。 | Facebookヘルプセンター)。しかし、これは写真や動画をアップするためのアドレスで、メール件名が写真のコメントや近況アップデートに更新されるだけで、メール本文に書いても反映されないそうだ、
 スマートフォンであれば、別にメールを使用しなくても更新できるので、この仕様は分からなくもないが、メールで更新できると、いろいろ便利ではあるんですけどね。
 で、久しぶりにこの日記を自作のソフトでGmailを使って更新しようとしたら、メール送信でエラーになった。しばらく悩んだが、Gmailに二段階認証を設定していたためだった。メールソフトなどにはアプリケーションに固有のパスワードを取得しておく必要があるのだ。これを設定したら、OKだった。

2013/05/05(日)「セイビング・フェイス 魂の救済」

 信じられないことにパキスタンでは夫や恋人から顔に硫酸をかけられる被害が年間100件以上あるそうだ。「セイビング・フェイス 魂の救済」は被害者の女性たちとそれを助ける医師、弁護士、議員らの活動を描き、昨年のアカデミー賞で短編ドキュメンタリー賞を受賞した。

 顔の半分に硫酸をかけられ、失明どころか眼球をも失った女性が登場するなど痛切きわまりない映像がいくつもある。夫たちのほとんどが無罪放免となってきたのも信じられない。パキスタンは徹底した男尊女卑の国なのだろう。

 それだけで終わっていたら、やりきれないところだが、映画のラストには大きな希望と喜びがある。被害を受けてきた女性たちがこれで救われるわけではないけれど、こうした卑劣な犯罪は今後、抑止されていくに違いない。