2006/05/13(土)「超劇場版ケロロ軍曹」

 「まじめにふまじめかいけつゾロリ なぞのお宝大さくせん」との2本立て。どちらも1時間程度でサンライズの製作。なので、ケロロ軍曹にはガンダムが登場したりする。絵は悪くないと思うが、僕は終盤眠かった。話にオリジナルな部分は見あたらない。

 「ケロロ軍曹」は子供に大人気で、うちにも吉田観音の原作がたしか7巻か8巻まである。「小さき勇者たち ガメラ」にはまだ発売されていない13巻が登場した。吉田観音、ガメラのファンなのだそうだ。

2006/05/13(土)「陽気なギャングが地球を回す」

 「陽気なギャングが地球を回す」パンフレット伊坂幸太郎の原作を読んだ時に、映画に向いた題材だなと思った(2004年6月19日の日記に書いている)。話の軽さとキャラクターの面白さが際だっていたからだ。ただ、面白く読めた作品ではあるが、それほど感心する部分はなかった。僕は原作の熱心なファンではない。だから、原作と映画がどう違おうが、気にしない。

 前田哲監督は予算不足が目についた前作「棒たおし!」(2003年)よりは潤沢な予算で軽い映画に仕上げている。オープニングのカット割りや観覧車への驚異的なズームアップなどはなかなかよくできていて、これは面白い作品なのではと思わせるが、その後は軽いなりにやや1本調子になった感がある。1時間32分という上映時間は軽い映画にはぴったりなのだが、それでもこのテンポでは長く感じた。CGを使ったカーチェイスや場面転換の漫画的な感じなど画面としては成功しているのに緩急自在の演出になっていないのは残念。ストーリーもあっさりした感じ。こうしたコンゲーム的なストーリーでは観客をすっかりだますような仕掛けが欲しくなってくるのである。

 それぞれに特殊な能力を持つ4人の男女が銀行強盗の現場で出会う。成瀬(大沢たかお)は人の嘘を見抜き、響野(佐藤浩市)は演説、雪子(鈴木京香)は正確な体内時計、久遠(松田翔太)は天才的なスリの能力を持っていた。4人は3カ月後、自分たちで銀行強盗を計画する。まんまと4000万円をせしめるが、逃げる途中、覆面のグループから盗んだ金を横取りされる。4人の中に裏切り者がいたらしい。と、ミステリなのでこれ以上のストーリーは書けないが、4人は横取りグループを捕まえるためにもう一度、銀行強盗を計画することになる。

 ストーリーは軽くてもキャラクターはそれなりに描き込む必要があるだろう。この映画に不足しているのはそうしたキャラクターの深みで、軽いタッチだからこそ、そういう部分が必要と思う。画面の方に力を入れすぎて、それが疎かになったのかもしれない。人工的な画面の作りもそれに拍車を掛けた感じがある。軽いだけでは満足できないものなのである。「棒たおし!」でも感じたことだけれど、どうも、前田哲監督には意欲を映画化していく段階での技術がやや不足しているように見受けられる。「楽しい映画を作ろう」という意気込みは分かるが、十分な成果につながっていないのだ。見かけだけに終わっている、というのは言い過ぎか。

 出演者はそれぞれに良く、大沢たかおも佐藤浩市も鈴木京香も軽く軽く演じている。佐藤浩市は演技の懐の深い役者だなと思わせるし、鈴木京香の色っぽさも相変わらず良かった。松田翔太は伊坂幸太郎に顔の輪郭が似ていて面白い。

2006/05/07(日)「Limit of Love 海猿」

 「Limit of Love 海猿」チラシ握り合う手と手がモチーフか。冒頭、墜落した飛行機の乗客を救出する場面で、主人公の仙崎(伊藤英明)は一人の手を放してしまう。それが仙崎に心の傷を負わせて、環菜(加藤あい)との結婚も延期してしまうのだが、映画はここを驚くほど簡単に描いている。手を放さなければならなかった理由とか、状況を克明に描く必要があったと思う。例えば、レニー・ハーリン「クリフハンガー」では冒頭にあるシルベスター・スタローンが友人を山で亡くすシーンが主人公のその後の再生に説得力を持たせていたように、こういう描写は冒険小説的な映画では常套的なものなのである。ある事件を通じて主人公がそれを克服していくのが普通なのだ。死地から生還する主人公。監督の羽住英一郎にはそういう視点はなかったようだ。いや、あったのかもしれないが、描写が不足している。

 あるいは仙崎たちがフェリーから脱出するために30メートルを潜水で移動するシーンを描かなかったり、脱出の前に環菜に長々とプロポーズしたり、フェリーが沈没するまでの時間の経過が感じられなかったりするところなどが、映画が傑作にならなかった要因のように思う。全体的に面白い映画と思ったものの、話がプロット以上のものではなく、密度が薄く感じる。沈没するフェリーのVFXなどビジュアル的には文句のない映画になっているのに惜しいと思う。

 鹿児島沖3キロで乗客620人、車両195台を乗せたフェリーが砂利運搬船と衝突、座礁する。フェリーには亀裂が生じ、浸水する。乗客を避難させる時間は4時間。仙崎たち海上保安官は必死で乗客を避難誘導する。避難の途中で船の売店で働く妊婦の本間恵(大塚寧々)が傷を負い、仙崎は手当てをする。恵の案内で脱出しようとした仙崎は車庫で豪華な車に乗っている海老原真一(吹越満)を見つける。海老原を連れて脱出しようとしたところで爆発が起き、バディの吉岡(佐藤隆太)とともに仙崎ら4人は船に閉じこめられてしまう。下の階は浸水、上の階は火災の絶体絶命的な状況。海上保安庁の下川(時任三郎)は30メートル潜水して脱出するよう指示を出す。仙崎たちはそれに成功するが、無線は故障し、船の爆発が相次いだことから、下川は他の海上保安官たちに船からの撤収を命じる。

 「海猿」は1作目をDVDで見た後、テレビドラマも何回か見た。特に思い入れはないけれども、嫌いな話ではない。映画は人間関係を承知のこととしてあまり深く描いていないが、それがキャラクターの深みを減じることにもなっている。この映画を独立して見る観客のためには仙崎のキャラクターをもっと描き込む必要があったように思う。冒頭の飛行機事故の場面の描写の薄さは環菜との結婚を延期する仙崎の心情を分かりにくいものにしている。閉じこめられたのがたったの4人というのは近々リメイクが公開される「ポセイドン・アドベンチャー」などに比べてハンディがあるように思えるが、そこは羽住英一郎、恵と海老原のキャラクターを徐々に描くことで補っている。このあたりはうまいと思うのだけれど、細部にはやはり不十分な描写があることは否めない。乗客の避難完了までに4時間という設定は映画を見る前にはいくらなんでものんびりしていてダメなのではないかと思ったが、画面を見る限りでは違和感はない。ただし、時間の経過が感じられないのは先に述べた通り。東京にいる下川がすぐに鹿児島に駆けつけたりするのも唐突に感じる。東京から鹿児島までどんなに急いでも1時間半、空港から現場までさらに1時間近くはかかるだろう(ヘリを使えば速いか)。

 この映画、全国的に大ヒットしているようだ。大衆性は十分にあり、韓国映画「タイフーン」あたりと比べても画面の迫力は負けていない。それだけに緻密さに欠ける部分があることが惜しまれる。

2006/05/06(土)キネマ旬報 ベストテン&興行データ全史 1951-2005

 キネ旬もよく同じような本を出すなあと思ったら、本ではなくDVDだった。1951年から2000年までのベストテン号をスキャンして全作品データや業界ニュース、ベストテン選評などを収録したもの。持っててもいいかと思うが、価格は31,500円もする。この価格で検索機能がないのはつらいところ。

 1946年から1979年までのベストテン全集は持っているし、それ以降の決算号は保存してるのであまり必要性は感じない。ただ、DVDで持ってると、劣化しないのはメリット。まあ、あまり売れないだろうなあ。

2006/05/02(火)FEATHER2006 Perfect Edition

 買おうかと考慮中。僕が使っているのはMTVX2004だが、リモコンは本来的にはFEATHER2006用のもの。Perfect Editionの場合、WMVやMPEG4、DivXへの変換ができるのが魅力だ。といっても変換ソフトは既にあるのですがね。

 ただ、カノープス製品で不安なのは、アップグレードした途端、テレビが見られなくなるんじゃないかということ。FEATHER2004でもダメな場合があったからなあ。とりあえず、赴任先のパソコンをネットにつないでからじゃないと、不安でしょうがない。フレッツ光プレミアムの工事は9日。買うにしてもあと1週間先か。