2004/12/24(金)「ぼくんち」

 休みなのだが、まだ映画館に行くのは不安なので家でDVDを見る。阪本順治「ぼくんち」(2003年、キネ旬ベストテン10位)を見ていたら、これがまた肋骨に悪い出来。おかしくて何度も笑って苦しんだ。阪本監督作品としてはちょっと変わった映画だけど、人物のおかしさは「どついたるねん」あたりと共通する。子役2人もかわいいし、観月ありさに何より感心。中盤、トラックの荷台に立って、タンカを切るシーンなどぴたりと決まっている。傑作だと思う。

 しかし大笑いしたのは本編ではなくて、メイキング。岸部一徳と3人の子供のビニールハウスの場面で、阪本監督は岸部一徳に「ここで何かやってください」と頼んだそうだ。アドリブである。そこで岸部一徳が何をやったかというと、飛んでいるハエを手で捕まえる仕草を2回やった。「下妻物語」で樹木希林がやった仕草ですね。これ、本編の方でも笑ったが、アドリブと聞くとますますおかしくなる。

 「ぼくんち」の衣装合わせでは、あまりにもボロボロの衣装に温厚な岸部一徳もさすがにムッとしたそうだが、この人ははまり込むとホントにおかしい。

2004/12/23(木)爆笑厳禁

 骨折して5日目。そろそろ痛みが収まってくるのではと少なからず期待していたが、まだまだ痛い。痛みには慣れてきたが、痛いのに変わりはない。一番の敵は笑いと咳である。幸いなことにクシャミはまだ出ていない。これが一番痛いんだろうと想像する。咳はなんとか我慢できても笑いはなかなか我慢できない。ついつい笑ってしまうと、体を折り曲げて痛がることになる。すると、ますます痛い。

 きょうも家で爆笑してしまい、七転八倒した。いや本当に転がったわけではない。そんなことをしたら、痛みは想像を絶する。

 宿題をしていた長女がこう聞いた。

 「『進む』の反対は何?」

 家内が答える。「退くでしょう。進退って言うから」

 長女のそばにいた小学1年の次女がポツリと言った。

 「むすす」

 これがいけなかった。笑いと痛みが同時にこみ上げてきて、我慢できない。くずおれて苦しむ羽目になった。「むすす」という語感がおかしかったからではない。僕が冗談で言おうと思っていたのに先を越されたからだ。「こいつ、同じこと考えやがって」と思ったらおかしくてたまらなくなったのである。苦しんで体を震わせていると、体の中で「ベリッ」という響きがあった。

 うーむ。形成され始めた仮骨が剥がれたのかもしれない。家にいると、肋骨骨折はなかなか治りませんね。かといって、会社でも昨日、爆笑してしまって苦しんだんですけどね。

2004/12/23(木)「ラブ・アクチュアリー」

 クリスマスに見るにはぴったりのラブストーリー。クリスマスの5週間前からクリスマス当日を経て、その1カ月後まで、いくつかの愛が並行して描かれ、それぞれにうまい。監督は「ブリジット・ジョーンズの日記」の脚本家リチャード・カーティスで、これが監督デビューという。それにしては手慣れたものである。

 親友の恋人を好きになってしまった男の思い(これはなんせ、相手がキーラ・ナイトレイですからね。仕方ありません)とか、首相と秘書の秘めた恋とか、作家とポルトガル人メイドの恋とか、おかしくて切なくて悲しくてハッピーなさまざまなパターンが用意されている。終盤にはいくつものクライマックスがあって、お腹いっぱいという感じ。

 カーティスの音楽のセンスはよく、ジョニ・ミッチェルの歌がエマ・トンプソンの悲しみの姿にかぶさる部分などは情感がある。ヒュー・グラントは首相にはとても見えない(実際のブレアの方がハンサムだ)が、作品の傷とも言えない。ローラ・リニーが家まで送ってきた男に「1秒だけ待っていてくださる」と言った後の場面はおかしかった。このセリフは終盤、別の人物が口にする。

 多数の出演者を描き分け、たくさんのストーリーがあるのにすっきりした印象にした脚本のレベルは高い。これと出演者の好演が相乗効果を上げた佳作と言える。カーティスは「ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12ヶ月」の脚本も担当している。

2004/12/22(水)「携帯の電磁波がDNAにダメージ」と欧州の研究者

 携帯をあまり使う方ではないが、やはりないと不便な状態にはなっている。電磁波の出る物体を頭に押しつけて話しているわけだから、影響がまったくない方がおかしい。「携帯電話業界では、電磁放射のせいで人体に悪影響が及ぶという断固たる証拠は何もないと主張している」というのはだから、あくまでも今のところの結論なわけだ。数十年後に脳腫瘍多発という事態もありうるかもしれない。

 携帯用のヘッドフォンを使えば、電磁波の影響はかなり避けられるだろう。心配な人はそれを使えばいい。携帯のパソコン化は急速に進みそうな情勢だし、音楽プレイヤーとしても使えるようになったから、ヘッドフォンはもっと普及しそうな感じがある。

 今使っているのは会社の携帯なので、自分用を買おうかと考慮中。家にあるのはauなので、2台目もauにするつもり。とりあえずメガピクセルカメラ付きで、メモリー容量が大きいやつを選びたい。

2004年窓の杜大賞

 Firefox日本語版が受賞。当たり前と言えば、当たり前の結果か。しかし、受賞対象はMozilla Japanになるのか。ちょっと違うような気はするが、仕方ないのでしょう。

 金賞はAdobe Reader SpeedUp、銀賞はSP+メーカー。どちらも実用的で優れたソフトと思うけど、常時使うものではないですね。ブラウザやエディタのように毎日使っているソフトの方が、ありがたみが増します。

Adobe Reader 7.0

 起動がむちゃくちゃ速くなっている。これ、メモリーに常駐しているんじゃないかと思えるぐらい。スプラッシュロゴも表示されない(表示するようにもできる)。Adobe Reader SpeedUpが受賞した日にリリースされるというのも皮肉なものですね。

 起動後のメモリー使用量は20MBを超える。6.0がどれぐらい使っていたか確かめていないが、けっこうな量だな。メモリー不足のPCではちょっと苦しいかも。

2004/12/21(火) 車の乗り降り

 土曜日から会社に車を置きっぱなしだったので、取りに行く。車の乗り降りには体をひねらなければならないので、ちょっと大変。自然と動作が緩慢になる。

 以前、知り合いに腰を傷めた人がいて、ある日突然、車がベンツのオープンカーに変わった(1,200万円ぐらいするやつ)。何故かと理由を聞いたら、オープンカーは車の乗り降りが楽なのだそうだ。なるほど。上半身を曲げる必要はありませんからね。でも、ベンツに変わるというのがすごいところ。お金持ちな人だったのだ。

 そういえば、シートがくるりと外を向く車もある。これは高齢者や障害者にとっては細かな配慮なのだろう。健康な時にはそういう部分、軽視してるけど、今はよーく分かります。

「LORELEI ローレライ」予告編

 検索してきた人がいるのでリンクしておこう。予告編はよくできている。樋口真嗣監督だからVFXに関しては心配ないだろう。問題はあの長い小説をどうまとめるかだ。脚本は「金融腐蝕列島 呪縛」の鈴木智。日南海岸はたぶん出てこないのでしょうね。原作の感想は去年の10月19日に書いてます。