2005/01/05(水)「ティアーズ・オブ・ザ・サン」

 反乱軍が異教徒の民族を虐殺しているナイジェリアから米人女医リーナ(モニカ・ベルッチ)を救出するために米軍特殊部隊が派遣される。当初は女医1人を助ける予定だったが、虐殺現場を見たために部隊の隊長であるウォーターズ大尉(ブルース・ウィリス)は命令に逆らって、避難民を連れてカメルーン国境まで徒歩で向かうことにする。それを反乱軍が執拗に追撃してくる。

 1人の民間人の救出のために米軍が部隊を派遣するだろうか、というのが大きな疑問で、ここはやはり女医に何らかの秘密(どうしても救出しなければならない理由)を設定しておきたいところだ。映画は中盤、反乱軍が執拗に追いかけてくる理由を明らかにする。これは定石に沿った展開なのだが、クライマックス、騎兵隊よろしく駆けつけた戦闘機が敵の部隊を殲滅するところなどにご都合主義が感じられる。それならもっと早く救出のヘリを出せよ、と思えてくるのだ。ウィリスの上官の大佐(トム・スケリット)は「危険空域だから」と理由を説明するのだけれど、著しく説得力を欠く。

 監督は「トレーニング デイ」「キング・アーサー」のアントワン・フークア。脚本の詰めが甘いと思う。