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2006年02月18日の記事

2006/02/18(土)「シャークボーイ&マグマガール 3-D」

 「シャークボーイ&マグマガール 3-D」子供にせがまれて見に行く。ロバート・ロドリゲスが「スパイキッズ3-D:ゲームオーバー」(2003年)に続いて撮った3D映画。「シン・シティ」の次の作品としては情けなくなるようなレベルの映画で、ロドリゲスは自分の7歳の息子のアイデアを基に撮ったらしい(ちゃんとレーサー・マックス・ロドリゲスという名前が原案にクレジットされている)。「スパイキッズ」よりは少しましなレベルと思ったが、IMDBでは3.7という目を疑うような低い点数が付いている。いや、それも普通の映画と比べれば、仕方がないだろう。僕はある程度覚悟して見たので、そこまで酷評はしない。

 3D映画は見せ物としてはとても面白く、この映画でも水泡が目の前にプカプカ浮く場面などは良くできていると思う(長くメガネを掛けていると、目は疲れる)。パンフレットにはちゃんと赤と青のプラスティックを張ったメガネが付いていて、表紙が立体的に見える(中にも立体的なページがある)。問題はストーリーで、ロドリゲス、子供向けとなると、途端に手を抜くようだ。夢見ることの重要さを訴えるのはいいのだが、それを何度も繰り返されると、鼻についてくる。こういうことは最後にそっと言えばいいこと。必要以上に強調するのは野暮である。内容も「スパイキッズ」と同工異曲のストーリーをやっても面白くならないのは自明のことだろう。想像力が幼稚すぎる。子供向けでもいいから、大人が居眠りしないような作品を撮ってほしいと思う。

 空想好きの少年マックス(ケイデン・ボイド)は夏休みの思い出として学校で、サメに育てられたシャークボーイ(テイラー・ロートナー)と炎とマグマを自在に操るマグマガール(テイラー・ドゥーリー)の話を発表する。クラスの仲間からもエレクトリシダッド先生(ジョージ・ロペス)からも信用されず、いじめられる始末。しかし、シャークボーイとマグマガールはマックスに助けを求めて本当に学校にやってくる。彼らの暮らす「よだれ惑星」が闇の勢力によって危機にさらされているという。その惑星はマックスの夢見る力で作られたのだった。マックスは2人とともに惑星に行き、危機を救おうと奔走する。

 敵が学校の先生だったり、いじめっ子だったりするのはこうした映画のお約束か。「よだれ惑星」というネーミングもひどいが、そこで描かれるものも何ら新鮮なものがない。1時間33分の上映時間だが、1時間で語れる話である。7歳の子供のアイデアをそのまま描いては面白くなるはずがない。子供はもっと複雑な話でも理解するものだし、そういう奥行きのある話の方が何度も見たくなるはず。ロドリゲスにはそういうことをよく考えて、子供向け作品を作って欲しい。

 日本語吹き替え版は山寺宏一が何役もやっている。達者な人だなと思う。