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2009年09月22日の記事

2009/09/22(火)プログラマの適性判定テスト

 ものすごく旧聞に属することで恐縮だが、日本語プログラム言語なでしこのホームページに第1回コンピュータブル文学賞について書いてある。「あたしコード、っていうか FizzBuzz。」というプログラムが受賞したのだけれど、このFizzBuzzって何かというと、1から順番に数を数えていき、3で割り切れる時にFizz、5で割り切れる時にBuzz、3と5の両方で割り切れる時にはFizzBuzzと言うゲーム。詳しくはFizz Buzz - Wikipediaを見てほしいが、世界のナベアツがやっている3と3の倍数の時にアホになるというのはこのFizzBuzz問題をマネしたものらしい。

 受賞作の「あたしコード、っていうか FizzBuzz。」は2009/03/22 - diaroid - Site Untitledで見ることができる。ケータイ小説の文体で書いた日本語プログラムだが、これを実行すると、ちゃんとFizzBuzz問題が表示される(こんな感じ)。

 で、先ほど書いたWikipediaのページに「どうしてプログラマに・・・プログラムが書けないのか?」というページがリンクされていて、さらにそのページから「Coding Horror: Separating Programming Sheep from Non-Programming Goats」というページがリンクされている(日本語訳はプログラミングできる人とできない人との間の深い溝 - 翡翠はコンピュータに卵を生むか)。ここに書いてあるプログラミング適性を判定する問題が面白い。以下のようなものだ。

int a = 10;
int b = 20;
a = b;
aとbの新しい値は以下の組合せのうちどれか:
a = 20,b = 0
a = 20,b = 20
a = 0, b = 10
a = 10,b = 10
a = 30,b = 20
a = 30,b = 0
a = 10,b = 30
a = 0, b = 30
a = 10,b = 20
a = 20,b = 10

 コードを一度も見たことがない計算機科学部の新入生向けのテストだそうだ。プログラムやってる人なら常識的すぎるが、知らない人には何のことやら分からないだろう。

変数への代入を表したもので、答はa=20,b=20となる。このテストを受けた「学生の44%は代入がどのように働くかについて一貫したモデルを持つに至る」そうだが、逆に言えば、半数以上は代入が理解できず、ということはプログラマに向いていないことになる。

 人には向き不向きがある。プログラマに向いていなくても政治家や芸術家や実業家に向いているかもしれず、悲観することは何もないが、自分の適性を知らずに進学先を決めている人も多いのだろうなと思う。こういう適性テストは入学後ではなく、入学前にやった方がいいのだろう。

2009/09/22(火)「男と女の不都合な真実」

 下ネタ満載のラブコメ。テレビ局の有能な女性プロデューサーと本音のトークで人気の下品でHな恋愛カウンセラーのおかしなラブストーリーを描く。four letter wordsがポンポン飛び出し、これはセリフによるR15+指定なのだろうが、そうした過激さが痛快にはなり得ていないのが惜しい。バイブレーター付きの下着を身につけたために、レストランで起こる騒動など何やってるんだと思う。

 話の進め方、エピソードの組み立て方が洗練されていないし、ロマンティックなものが欠けている。何より主演のキャサリン・ハイグルにいまひとつ魅力がない。こういう役柄なら、メグ・ライアンやゴールディ・ホーン、リース・ウィザースプーンのようなキュートでコケティッシュなものが欲しい。相手役のジェラルド・バトラーの懐の広さに比べると、随分見劣りがして、バトラーの良さのみが目立った。監督は「キューティ・ブロンド」のロバート・ルケティック。

 アビー(キャサリン・ハイグル)はサクラメントにある地方テレビ局のプロデューサーで朝のニュース番組を担当している。有能だが、私生活では理想が高すぎて男性に縁がない。番組の視聴率も2%台に下降してしまう。上司は視聴率を上げるため、人気上昇中のマイク(ジェラルド・バトラー)をコメンテーターとして起用する。マイクの「Ugly Truth」というコーナーは既成の恋愛観を打ち砕く本音のトークで反響を巻き起こし、視聴率が上がるが、理想の男性とは正反対の粗野なマイクにアビーは反発を繰り返す。そんな時、アビーの家の隣にハンサムな医師コリン(エリック・ウィンター)が引っ越してくる。コリンこそ理想のタイプと舞い上がったアビーはマイクのアドバイスを受けて、男が求める理想の女性を装い、コリンと親しくなっていく。それを見て、マイクは複雑な心境になってくる。

 下品な外見の下にナイーブなものを秘めたマイクをジェラルド・バトラーはうまく演じている。前半に比べて後半が面白いのはそうしたマイクのキャラクターに深みが顔をのぞかせるからだが、映画自体には深みは生まれない。脚本家デビューのニコール・イーストマンの原案・脚本に「キューティ・ブロンド」の女性脚本家カレン・マックラー・ラッツとキルステン・スミスのコンビが共同脚本としてクレジットされている。高ビーな女の子が奮起してハーバード・ロー・スクールに入る「キューティ・ブロンド」は軽くて面白かったが、今回はやや不発気味。

 こういう簡単なプロットの場合、エピソードにどんなものを持ってくるかで映画の出来が決まる。コリンと出会ったアビーがうれしくて飛び跳ねるシーンはリチャード・カーティス「ラブ・アクチュアリー」に同じようなシーンがあったが、「ラブ・アクチュアリー」のような粋な映画とはかけ離れた出来に終わっている。