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主要登場人物は3人、全登場人物も3人といういかにもインディーズ映画らしい作り。脚本は凝っているが、内田けんじの映画のように「騙してくれてありがとう」という感じにはならない。見ていて気分が良くならないのはこれが人間不信の考えから成り立った脚本であるためか。
金持ちの娘アリス・クリード(ジェマ・アータートン)が覆面をした正体不明のヴィック(エディ・マーサン)とダニー(マーティン・コムストン)に誘拐され、ベッドに手足を縛られて監禁される。犯人2人はアリスの父親に身代金200万ポンドを要求する。ストーリーを書けるのはここまでで、ここから先は3人の意外なドラマがサスペンスフルに展開していく。床に落ちた銃弾をサスペンスにつなげる部分などはうまいと思う。
登場人物が少なく、ほとんど部屋の中で話が進行するので、そのまま舞台になりそうだ。アイラ・レヴィンの某戯曲を思わせる展開もある。これは想像がついた。意外な人間関係を織り込むにはこれはぴったりの設定なのだ。監督のJ・ブレイクソンはこの戯曲の映画化を当然見ているのだと思う。