2016/10/25(火)「ウォーキング・デッド」シーズン7第1話

 「惨き鉄槌」(原題: The Day Will Come When You Won't Be)」のタイトルが付いている。今年3月放送のシーズン6のラスト、主要メンバーの誰かがバットで殴り殺されたが、殺される人間の視点で描かれたので誰が死んだのか分からなかった(殴られて画面の上から血がドロッと流れた後にもう一度バットが振り下ろされ、画面がブラックアウトする)。それがようやく明らかになった。

 僕はリアルタイムでは見られなかった。代わりにTwitterのタイムラインを見ていたら、リアルタイムで見ている人の阿鼻叫喚のつぶやきが並んだ。ネタバレも書いてあった。というわけで録画したのを見たら、それほどでもなかった(当たり前です)。

 有刺鉄線を巻いたバットで頭を叩き潰すという描写は正視に耐えない。アメリカの地上波は暴力描写の規制が厳しいが、AMCのようなケーブルテレビに関してそれはないらしい。地上波でもケーブルでも家庭で子どもが見る可能性は同じなのだから、これは少しおかしい気もする。

 それはともかく、このドラマを知らない人が見てもこの描写は正視に耐えないだろうが、数年間、このキャラクターを見続けてきた人のショックは計り知れない。特に日本では人気のあったキャラクターだから(うちの次女もファンだった)、「ウォーキング・デッドはもう見ない」という人がいるのも分かる。

 これはアメリカでも賛否あるだろうと思って。IMDbの評価を見ると、17955人が投票した段階で9.3と恐ろしく高い。10点満点が66.1%、9点が16.6%と9点以上が8割を占める。少なくともシリーズのファンはこの内容を支持しているということになる。僕は6点を投票した。ロッテン・トマトでは69%が肯定的評価。平均点は7.2となっている。

2016/05/24(火)ドラマ「深夜食堂」

 amazonプライムビデオに「深夜食堂」の第2シーズンまでが入ったので、毎日1、2話ずつ見ている。ほとんど見たと思い込んでいたが、それは第2シーズンと第3シーズンの方で第1シーズンはあまり見ていなかった。第5話「バターライス」とか、第6話「カツ丼」とか、しみじみといい話だなと思う。

 「バターライス」はグルメ評論家(岩松了)にまつわる話。「めしや」に連れてこられた評論家が、流しの歌手ゴローさん(あがた森魚)がバターライスを食べるのを見て、自分も食べる。それ以来、「めしや」によく来るようになる。実は評論家とゴローさんには貧しい頃にあるつながりがあった。

 バターライスはご飯にバターを乗せて、30秒待ち、醤油を少しだけかけたもの。料理と言うには簡単すぎるのだけれど、そういう食べ方、つましい食事が思い出につながるものなのだ。幼い頃によく食べた料理は郷愁を呼び起こす。韓国や台湾でも人気を集め、独自にドラマ化もされているのは、食に関する思いがどの国でも共通するからなのだろう。

 去年の映画も良かったが、好評を受けて「続・深夜食堂」が11月に公開されるそうだ。これは楽しみ。ドラマの方はNetflixで10月から始まるとのこと。できれば、地上波でやってほしかったけど、これだけでNetflixに入ろうかという気になる。

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2016/02/20(土)「ウェイワード・パインズ 出口のない街」第1話

 FOXテレビで始まったサスペンスドラマ。「M・ナイト・シャマラン初のドラマシリーズ」というコピーよりも、ブレイク・クラウチ原作(「パインズ 美しい地獄」「ウェイワード 背反者たち」「ラスト・タウン 神の怒り」)のドラマ化ということで興味を持って第1話「偽りの理想郷」を見た。原作は薄味の大作というB級風味あふれる作りで、簡単な感想は以前書いた。3部作のエピローグのラスト1行はほとんどジョークとしか思えない。高く評価はできないが、スラスラ読めるので暇つぶしにはなるというぐらいの小説である。

 ドラマはマット・ディロン主演、ジェイソン・パトリック、ジュリエット・ルイス、カーラ・グギノ、メリッサ・レオら共演で、かつての映画スターが顔を揃えている。

 シークレット・サービスの捜査官イーサン・バーク(マット・ディロン)は森の中で目覚める。体は傷だらけ。ウェイワード・パインズという町までたどり着いたイーサンはそこで倒れ、病院に収容される。看護師によると、イーサンは交通事故に遭ったのだという。家にもシークレット・サービスにも連絡がつかない。病院を抜け出したイーサンは酒場でビバリー(ジュリエット・ルイス)に出会い、住所を書いたメモを渡される。その家を訪ねると、同僚の腐敗死体があった。

 イーサンはラストで町の周囲に高い壁があるのを知る。町からはどうしても出られないらしい。原作を読んでいると、展開がまだるっこしいが、演出は悪くないと思う。とりあえず、怪物が出てくるまでは見ようかと思う。いつごろ出てくるんだろう。IMDbの評価は8.3。ちなみに第1話は無料視聴できる。既にDVDも発売済みだ。

 それにしても、この出演者は10年以上前なら凄い豪華キャストだっただろう。映画でお呼びがかからなくなると、テレビに出るようになるのはどこでも同じだ。とはいっても、テレビから映画に進出するケースも多く、「ウォーキング・デッド」のローレン・コーハンは「The Boy」という新作で主演している(B級ホラーらしい)。コーハンは「バットマン VS スーパーマン ジャスティスの誕生」ではスーパーマンの母親役を演じる(違った。バットマンことブルース・ウェインの母親役だった)。そこそこ美人でスタイル抜群なので映画でも十分通用するのだろう。

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2016/01/28(木)「Childhood's End 幼年期の終り」第1話

 地球の各都市の上空に巨大な宇宙船が現れる。宇宙人は地球を管理し、「戦争や病気などすべての苦しみをなくす」と宣言。進んだテクノロジーを持つ彼らはオーバーロード(上帝)と呼ばれた。オーバーロードはリッキー・ストームグレン(マイク・ヴォーゲル)を宇宙船内に連れて行き、地球人との仲介役を依頼する。

 IMDbによると、第1話の上映時間は1時間21分。だが、AXNの放送版は1時間足らずだった。あれ、そこで終わり、という感じ。原題は「Overlords」だが、放送版のタイトルは「オーバーロード 前編」となっていたので、途中で切ったのだろう。これと「スーパーガール」「ザ・マペッツ」の3本から3月に本放送を開始する作品を選ぶ「最新ドラマ投票」( http://vote.axn.co.jp/ )のための放送だったので長い予告編みたいなものか。「スーパーガール」同様、VFXに不満はないが、途中まで見せられても評価のしようがない。

 アメリカでは昨年12月14日から3夜連続で放送された。3話とも1時間20分程度の長さ。原作も3部構成だし、3話で完結するのだろう。

 考えてみると、この作品の設定は「地球の静止する日」(1951年。リメイク版は「地球が静止する日」)に似ている。「幼年期の終り」の原作は1953年発表なので、アーサー・C・クラークはヒントにしたのだろうか。と思って、Wikipediaを見ると、「幼年期の終り」の元になったのは1946年にクラーク自身が書いた短編「守護天使」だそうだ。

2016/01/25(月)ドラマ版「スーパーガール」

 アメリカで昨年10月から放送が始まった「スーパーガール」のパイロット版をAXNが24日に放送した。スーパーマン(カル・エル)のいとこのスーパーガール(カーラ・ゾー=エル)がファントムゾーンから出てきた悪人たちと戦う。テレビでVFXがここまでできれば十分で、僕はそこそこ面白く見たが、アメリカでの評判はあまり良くない。

 IMDbの評価は6.4。ロッテン・トマトではレビュアーが97%支持しているのに、ユーザーの支持は51%と低い。ただし、IMDbのエピソードごとの採点を見ると、このパイロット版が一番低くて7.2。話が進むに連れて点数はだんだん上がっていってるのに、シリーズ全体で6.4の採点はおかしい。全体とエピソードごとに別々に投票できるので、こういうことになる。

 主人公のスーパーガールを演じるのはメリッサ・ブノワ。映画「セッション」で主人公のガール・フレンドを演じた女優だ。「スーパーガール」でも健康的な感じで良い。ジェイムズ・オルセンをアフリカ系アメリカ人のメカード・ブルックスが演じているのは大きな改変。アフリカ系のノミネートゼロだったアカデミー賞よりはよほど見識がありますね。

 驚いたのは映画版「スーパーガール」(1984年)を演じたヘレン・スレイターが養母役で出ていたこと。もう52歳で映画ではすっかりご無沙汰だが、アメリカのテレビにはけっこう出ているらしい。

 続けて放送した「CHILDHOOD’S END 幼年期の終わり」も録画したが、まだ見ていない。もちろんアーサー・C・クラークの名作SFのドラマ化で、ミニシリーズらしい。原作は細部をすっかり忘れている。覚えているのはオーバーロードのオチだけ。地球人の“未来の記憶”はどんな造型になっているのだろう。IMDbの評価は「スーパーガール」よりも高い7.1(http://www.imdb.com/title/tt4146128/)。

 AXNのサイトを見たら、第2シーズンの放送開始を前に「ハンニバル」第1シーズンを2月7日に一挙放送するとのこと。「ゴッサム」も2月21日に一挙放送する。フォックステレビでは「ウォーキング・デッド」第6シーズンの後半を最速で放送するし、スカパー!やケーブルテレビを契約している人はネットフリックスなどのオンデマンドサービスは要らないような気が。ネット配信は録画の手間をかけなくても好きな時にCM抜きで見られるのが大きなメリットではありますけどね。