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Panasonicのブルーレイレコーダーに録画した番組がChromebook(IdeaPad Duet)にインストールしたDiXiM Playでは再生できなかったが、設定の「問題解決オプション」の設定を変えたら再生できるようになった。「ハードウェアデコードを使用」をオフにするだけで良かった。「再生品質の自動選択」はオン、「インターレスの再生」はオフでOK。
Panasonic製アプリの「どこでもDiga」がIdeaPad Duetでは使えないので、DiXiM Playを購入するしかないわけだが、「どこでもDiga」にも「ハードウェアデコード使用」オフの設定があれば、使えるんじゃないかと思う。Panasonicさん、ぜひ改良お願いします。同じPanasonicのアプリでテレビ用のMedia AccessはChromebookでも普通に使えるんだから、改良はできると思うんですけどね。
DLNAソフトでベストなのはソニーのPC TV Plusだと思う。10年以上前の古いブルーレイレコーダーにも対応しているのだ。ただし、これWindows版しかないのが残念。Androidに対応するアプリも作ってほしい。ソニーさん、ぜひお願いします。
「やがて海へと届く」は彩瀬まるの同名原作を中川龍太郎監督が映画化。突然いなくなった親友を思い続ける女性の姿を描いています。
一人旅に出たまま行方が分からなくなったすみれ(浜辺美波)。大学で知り合い、親友となった真奈(岸井ゆきの)は5年たってもすみれのことに思いをはせている。しかし、恋人だった遠野(杉野遥亮)や、すみれと確執があった母親(鶴田真由)らは既にすみれの不在を受け入れ、新たな生活を始めていて、真奈はそれに反発を感じていた。ある日、真奈は遠野から、すみれが大切にしていたビデオカメラを託される。
すみれの行方不明の原因が津波であることが観客に示されるのは映画の中盤で、これは別に隠すことでもないので、序盤に出しても良かったのではないかと思います。アニメーションも使った終盤が観念的になってしまうのが残念ですが、それ以上に死者の視点での回想が現実描写とうまく繋がらないもどかしさを感じました。原作もそうなっているようですが、小説なら許されることでも、映画ではうまくいかないことがあります。死者の回想にせず、ビデオカメラにすみれの真意が記録されていたことにするなどのアレンジが欲しかったところです。すみれの家庭環境も説明が不足していると感じました。
岸井ゆきの、浜辺美波とも好演しています。終盤に向かってだんだん髪が短くなる浜辺美波はどんな髪型でもOKのかわいさ美しさ。次の映画は来年公開の「シン・仮面ライダー」ですが、主演映画も撮ってほしいものです。
中川監督の映画は「わたしは光をにぎっている」(2019年)しか見ていませんでしたが、コロナ禍に生きる人たちを描いた昨年のHuluオリジナルドラマ「息をひそめて」はとても良い出来でした。
マイケル・ベイ監督がデンマーク映画「25ミニッツ」をリメイクしたアクション。銀行から3200万ドルを強奪した犯人グループのうち2人が、負傷した警官と女性救急救命士を乗せた救急車(アンビュランス)を乗っ取り、逃走するという話です。ドローンを使ったスピーディーな撮影など見どころはあるんですが、逃走する救急車というシチュエーションが単調に続き、人質がいるとは言え、道路封鎖すれば良いだけのことなのでだんだん飽きてきます。136分の上映時間も長く感じ、もっとタイトにまとめた方が良かったでしょう。
犯人役はジェイク・ギレンホールと「マトリックス レザレクションズ」のヤーヤ・アブドゥル=マーティン二世。救急救命士キャム役のエイザ・ゴンザレスは「パーフェクト・ケア」に続いて好演しています。
ただし、評価は冴えず、IMDb6.5、メタスコア46点、ロッテントマト74%。「25ミニッツ」は見ていませんが、これもIMDb5.3と低いです。リメイクがオリジナルより高い点数なのは主に撮影方法とアクション演出の差ではないかと思います。マイケル・ベイ、アクションの撮り方だけは一級品です。
夫が死刑になったシングルマザーを描くイラン映画。マリヤム・モガッダム、ペタシュ・サナイハが2人で脚本・監督を担当し、モガッダムは主演も務めています。
主人公のミナは夫の処刑後1年あまりたってから、夫は冤罪で他に真犯人がいたと告げられる。牛乳工場で働き、内職もしているミナは耳の聞こえない娘と二人暮らし。家賃を払えないほど困窮している。そこに夫からの借金を返しに来たというレザ(アリレザ・サニファル)が現れ、ミナは次第にレザと親しくなっていく。レザにはある秘密があった、という展開。
イランは死刑が多いそうで、映画は取り返しのつかない死刑への批判と子供を抱えた女性の生きにくさを描いています。シングルマザーの貧困はイランだけの問題ではないでしょう。
イランの通貨は分かりにくく、流通しているのはリヤルですが、旧通貨のトマンで言う場合が多いとのこと。1トマンは10リヤル。映画の中で夫の賠償金は2億7000万トマンとのことでしたが、1トマンは0.029円なので円に換算すると783万円にしかなりません。死んだ夫からレザが借りていたとされる100万トマンは2万9000円ぐらい。単位が大きいので多額かと思ってしまいますが、そうではありません。
白い牛は「死を宣告された無実の人間のメタファー」とのこと。
WOWOWオンデマンドで見ました。俳優が監督を務めた5本の短編から成り、順番に「いくえにも」(青柳翔監督)、「物語」(玉城ティナ監督)、「あんた」(千葉雄大監督)、「ありがとう」(永山瑛太監督)、「理解される体力」(前田敦子監督)。
脚本を監督以外の人が書いた最初と最後の2本がまずまずの出来でした。他の3本がつらいのは主に脚本の問題で、つまらない話はどんなに頑張っても面白い作品にはならないですね。アイデアは俳優のものでかまいませんが、それを脚本にまとめるのは本職にまかせた方が良いと思いました。
「ベルファスト」はケネス・ブラナー監督の少年時代をモデルにした自伝的作品。北アイルランド紛争が始まった1969年8月のベルファストを舞台に、家族と町の人々の泣き笑いをモノクロ映像で生き生きと描き出しています。暴力が多発する深刻な時代であっても、9歳の少年バディ(ジュード・ヒル)の周囲には笑いがあります。こうした作品にありがちな独りよがりの郷愁に浸っていないところが好ましいと思いました。
今回のアカデミー賞では国際長編映画賞候補の「The Hand of God」(Netflix)もパオロ・ソレンティーノ監督の自伝的作品で、アルフォンソ・キュアロン監督の「ROMA ローマ」以来、そういう作品が流行っているそうです。
祖母役のジュディ・デンチはイギリス・ヨークの生まれですが、家族は南アイルランド出身で、ベルファストに親戚がいたとのこと。母親役のカトリーナ・バルフはアイルランド・ダブリン出身。祖父役のキアラン・ハインズと父親役のジェイミー・ドーナンはベルファスト出身と固めてあります。この4人のキャストがみんな良いです。
バディに対して優しく、ユーモラスな祖父を演じたキアラン・ハインズはアカデミー助演男優賞にノミネートされています。87歳のジュディ・デンチは目が悪くなって脚本が読めないそうですが、顔に刻まれたしわも含めて名優の貫録十分な演技を見せます。個人的にはきれいで優しくて強い母親のカトリーナ・バルフが最も印象的でした。僕はこれまで知りませんでしたが、バルフはドラマ「アウトランダー」の主演でブレイクした女優とのこと。このドラマは2014年に始まって現在シーズン6が放送中。U-NEXTとHuluで見放題に入ってます。
吹き替え版で観賞。前作で劇場を再建した面々が今度はエンターテイメントの聖地で新たなショーに挑むため、伝説のロック歌手クレイの復帰公演を企画する、という物語。ドラマの底が浅く、なぜこんなに評判が良いのか不思議ですが、たぶん、歌と声担当の日本版キャストの人気に負うところが大きいのでしょう。
担当しているのはMISIA、B'zの稲葉浩志、BiSHのアイナ・ジ・エンド、スキマスイッチの大橋卓弥、SixTONESのジェシーなど。歌手以外では長澤まさみ、内村光良、斎藤司(トレンディエンジェル)、大地真央ら。この吹き替え版の出来は上々だと思います。
歌はいいんですが、ストーリーはあまり進まず、111分も上映時間があったとは思えませんでした。ストーリー的には90分ぐらいの分量で、劇場再建への奮闘を描いた前作の方が面白かったです。
アメリカではIMDb7.5、ロッテントマト71%とまずまずですが、メタスコアは49点と低くなっています。
ウィリアム・リンゼイ・グレシャム原作の2度目の映画化。1947年の「悪魔の往く町」の評価はIMDb7.7、メタスコア75点、ロッテントマト86%。新作は7.1、70点、80%と旧作の方が評価は高いですが、美術や造型などは圧倒的に新作の方が優れています。
新作の受けが良くないのはラストの処理によるものかもしれません(しかし、これがほぼ原作通りのようです)。旧作111分に対して新作が150分と長いのもマイナス材料なのでしょう。僕はこの手の映画のダークな雰囲気は好きなので、ストーリーが分かっていてもそれなりに面白く見ました。
カーニバル(見世物小屋)の描写がトッド・ブラウニング「フリークス」を思わせますが、パンフレットによると、ギレルモ・デル・トロ監督も「フリークス」を参考にしたようです。
この映画のパンフレットはムービーウォーカー編集部が編集していて、早川書房版と扶桑社版の原作を邦訳した2人の翻訳者(柳下毅一郎、矢口誠)の対談を収録するなど充実しています。
「タル・ベーラ伝説前夜」の1本で1988年の作品(KINENOTEには1981年とありますが、間違いです)。ストーリーの要約が難しいので公式サイトの紹介を引用すると、「不倫、騙し、裏切り-。荒廃した鉱山の町で罪に絡みとられて破滅していく人々の姿を、『サタンタンゴ』も手掛けた名手メドヴィジ・ガーボルが『映画史上最も素晴らしいモノクロームショット』(Village Voice)で捉えている」という映画です。
「サタンタンゴ」や「ニーチェの馬」のすごい強風が吹きまくるような強烈なショットはなく、おとなしい感じですが、タッチ自体は後の作品を彷彿させるものがあります。ただ、僕はあまりピンときませんでした。「伝説前夜」なので、こういうものなのでしょう。
読めないハンガリー語のエンドクレジットを眺めていたら、「Tanaka Chiseko」の文字が目に留まりました。これ、映画評論家の田中千世子さんのこと? パンフレットを見たら、「若き日のタル・ベーラ監督」と題する文章を寄せていて1984年以来の交流について書いてありました(田中さんの肩書きは映画監督になってます)。この映画にも何か協力したのでしょうね。
「ブルー・バイユー」は国際的な養子縁組を巡るアメリカ映画。監督は「トワイライト」シリーズに出ていた韓国系アメリカ人俳優のジャスティン・チョンで、監督としては4作目になるそうです。
主人公のアントニオ(ジャスティン・チョン)は韓国生まれ。3歳のときに養子としてアメリカに来た。シングルマザーのキャシー(アリシア・ヴィキャンデル)と結婚し、キャシーの前夫エース(マーク・オブライエン)との間の娘ジェシー(シドニー・コウォルスケ)と3人で、貧しいながらも幸せに暮らしている。ある日、スーパーマーケットでエースら巡回中の警官とトラブルになり、逮捕される。アントニオには以前、バイクを盗んだ前科があり、30年以上前の義父母による手続きの不備もあってICE(移民関税執行局)に引き渡され、国外追放処分を受ける。裁判で異議を申し立てようとするが、弁護士への依頼に5000ドルかかることが分かり、途方に暮れる。
最後の字幕で米国の養子の中には国外追放処分を受ける人も多いことが示されます。監督はそれを知って映画にしたそうですが、問題を抉った社会派の作品にはならず、ある家族の悲劇性が前面に出ているのが少し残念なところ。アメリカでは国際養子縁組の養子に市民権を与える子供市民権法が2001年に施行されましたが、施行後の養子に限られたため、施行前に養子となった主人公には適用されません。特にこの主人公の場合、3歳からアメリカに住み、韓国に帰されても住む家すらないわけですから、国外追放はひどい処分だと思います。
ラストシーンは泣かせる意味合いが大きく、こういう問題を扱った映画のまとめ方として適切とは思えません。ただし、このシーンの子役の演技は特筆もののうまさでした。
アメリカでの評価はIMDb7.0、メタスコア58点、ロッテントマト75%(一般ユーザーは93%)。
妻役のアリシア・ヴィキャンデルはメジャー作品ばかりでなく、こうしたマイナーな作品にも出るのがえらいです。
タイトルは「青い入り江」の意味で、1963年に発表されたロイ・オービソンの楽曲。監督はリンダ・ロンシュタットがカバーした歌から取ったそうです。
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「デトロイト・メタル・シティ」などの漫画家・若杉公徳の同名原作の実写映画化。バカバカしさに徹したギャグ映画で、ここまで来ると、むしろ好感すら持ってしまいます。
ノストラダムスの大予言を信じ、1999年の人類滅亡に備えて修行を重ねてきた“終末の戦士”たちの青春物語。予言が実現するはずの1999年7月から20年たっても世界は一向に滅亡せず、師範は解散を宣言する。最強の殺人拳・無戒殺風拳(むかいさっぷうけん)を習得しながら活躍の場を与えられなかった彼らがたどり着いたのは、その能力を全く必要としない現代の東京だった。
伊藤英明、山本耕史、小澤征悦らがぶっ飛んだキャラクターを大真面目に演じていて良いです。「人間には恋という感情があるらしいが、おぬし達には一切関係ない」と何かにつけて「一切関係ない」が口癖の師範役の古田新太もおかしいです。これでもう少し脚本に工夫を凝らし、演出にメリハリをつけると良かったんですけどね。
バカリズムの脚本を「勝手にふるえてろ」「私をくいとめて」の大九明子監督が映画化。個人的には今年のワースト候補で、久しぶりにあきれるぐらいにつまらないコメディーでした。バカリズムはギャグは書けてもドラマは書けないということがよーく分かりました。「才人」などと持ち上げてはいけません。
大九監督は「この脚本では映画にならない」とはっきり言うべきだったでしょう。ドラマ部分を補強して、監督自身でまとめ直した方が良かったと思います。まるでハウツーものみたいな序盤と結婚式出席者を同じ具合に順番に取り上げる単調な構成の中盤にアクビが出ましたが、終盤の安易な下ネタにはあきれました。これで笑うのは子供ぐらいじゃないかな。
「THE BATMAN ザ・バットマン」は「猿の惑星」シリーズをリブートさせたマット・リーヴス監督がまたもやシリーズのリブートに成功した傑作。街の有力者を次々に殺していくリドラーの正体と本当の目的を終盤まで周到に伏せた脚本(リーヴスとピーター・クレイグ)が良く、「バットマン」映画の中でも上位に位置する仕上がりになっています。「俺は復讐だ(I am vengeance)」と名乗っていたバットマンがリドラーとの知能戦の中でゴッサム・シティの「希望」に変わっていく過程をダークでハードな雰囲気とともに描き、2時間56分の見応えのある作品になりました。
パンフレットによると、バットマンが自警活動を始めて1年と少したった頃の物語。バットマンに助けを求めるバット・シグナルは夜空に浮かぶ仕組みが既にあり、市警の刑事ゴードン(ジェフリー・ライト)とバットマンは協力して悪と対決している。ある夜、ゴッサムの市長が殺され、現場には謎々が残されていた。犯人はリドラーと名乗り、市警本部長と検事もリドラーの犠牲になる。リドラーはゴッサムの腐敗にまみれた過去の事件の嘘を暴くのが目的で、その過去は街を裏社会で牛耳るファルコーネ(ジョン・タトゥーロ)とペンギンことオズワルド・コブルポット(コリン・ファレル)も関わっているらしい。ファルコーネに恨みを持つキャットウーマンことセリーナ・カイル(ゾーイ・クラヴィッツ)も事件に関わってくる中、バットマンはリドラーの正体に迫っていく。
ロバート・パティンソンがバットマン=ブルース・ウェイン役に選ばれたのは陰のあるキャラクターであることも理由の一つでしょう。リーヴスがこの映画を手がけるのに心掛けたのは原作コミックのダークな雰囲気の再現にあったのではないかと思います。クリストファー・ノーランの3部作もダークでしたが、この映画はそれ以上で、バットマンは当初、単純な正義のヒーローではなく、何者かに両親を殺された復讐のために悪人たちに対処しています。
バットマンとリドラーの境遇は似ていて、終盤、2人が対峙する場面はシチュエーションも含めて黒澤明「天国と地獄」(1963年)の三船敏郎と山崎努を彷彿させました。バットマン=ウェインの本部を従来のバットケイブ(洞窟)から高層ビルのてっぺんに変更したことも「天国と地獄」と同じ効果があり、リドラーは子どもの頃からこの建物を見上げて、ウェインへの憎悪を蓄積してきたのでしょう。
ゾーイ・クラヴィッツのスリムなキャットウーマンは極めて魅力的。ペンギンの太った顔のメイクで、演じているのがコリン・ファレルとは分かりませんでした。アメリカでの評価はIMDb8.5、メタスコア72点、ロッテントマト85%となっています。
Huluで2日かけて見ました。ハンガリーの田舎の村が舞台。KINENOTEの解説を引用すると、「降り続く雨と泥に覆われ、活気のない村に死んだはずの男イリミアーシュが帰ってくる。村人たちは、そんな彼の帰還に惑わされてゆく。タンゴのステップ<6歩前に、6歩後へ>に呼応した12章が、全編約150カットという驚異的な長回しで詩的かつ鮮烈に描かれる」という映画です。
この本筋だけだったら、7時間18分もかかりませんが、引きこもり気味の太った医師がパーリンカ(果物を原料とする蒸留酒)を買いに外出する第3章「何かを知ること」や、少女と猫の話がショッキングな方に向かう第5章「ほころびる」など派生した話に面白さがあります。一方で、酒場で踊りに興じる人たちのシーンが延々と続くなど、こんなに長くはいらないと思えた箇所もありました。
完成度としては2012年度のキネマ旬報ベストテン1位「ニーチェの馬」の方が明らかに上です。7時間以上という映画体験はなかなかないので評価の高さはそのあたりを考慮してのことだと思います。
章立ては以下の通りでした(時間は長さではなく開始時間です)。
10分~第1章 ヤツらがやって来るという知らせ
43分~第2章 我々は復活する
1時間15分~第3章 何かを知ること
2時間17分~インターミッション
第4章 蜘蛛の仕事 その一
2時間44分~第5章 ほころびる
3時間38分~第6章 蜘蛛の仕事 その二(悪魔のオッパイ 悪魔のタンゴ)
4時間22分~インターミッション
第7章 イリミアーシュが演説をする
4時間36分~第8章 正面からの眺望
5時間29分~第9章 天国に行く? 悪夢にうなされる?
6時間00分~第10章 裏からの眺望
6時間32分~第11章 悩みと仕事ばかり
6時間49分~第12章 輪は閉じる
10分から始まっているのはその前にプロローグ的な描写があるからです。牛舎から20頭ぐらいの牛が出てきて、そのうち1頭が交尾しようとするというシーンで、なんだこれはと思いますが、第1章は不倫している男女のシーンから始まるのでまんざら関係ないわけでもありません。
タル・ベーラ監督の作品はHuluには「サタンタンゴ」しかありませんが、U-NEXTには「ニーチェの馬」もありました(配信は今月31日まで)。
誘拐された11歳の少女を預かることになった青年をめぐる韓国映画。公式サイトには「珠玉のサスペンス」とありますが、うーん、これはサスペンスじゃないでしょう。青年は口がきけず、幼い妹と2人暮らし。誘拐された少女と3人で疑似家族を形成していくことになるのは予想された展開で、僕は「レオン」を思い浮かべました。
青年の仕事は犯罪組織が殺した人間の死体処理。これは「ニキータ」のジャン・レノの仕事でしたから、この映画で長編デビューという脚本・監督のホン・ウィジョンは、リュック・ベッソンにインスパイアされた部分があるのかもしれません。アクションはありませんけどね。
残念ながら話にきちんと決着がつかないので、落ち着かない終わり方でした。
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