2011/08/15(月)「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」
脚本は全然うまくない。むしろ破綻していると思う(昔の香港映画によくあった行き当たりばったりのクライマックスを思い出した)のだが、ジョニー・トーはスタイリッシュな銃撃描写で有無を言わせない。この映画が優れているのはこの描写の力に尽きる。通行人の傘の花が開く雨の中の描写や、アンソニー・ウォンら3人組の殺し屋が組織に襲われる紙吹雪が舞う場面など、印象的なシーンがたくさんある。ただ、ジョニー・トーがもう一段階上のレベルになるには、やはりしっかりした脚本が必要だと思う。2010年キネ旬ベストテン6位。