2004/05/09(日)「星に願いを。」

 香港映画の「星願 あなたにもういちど」を日本風にアレンジした作品(函館で全編ロケ)で、オリジナルに比べると、かなり落ちるらしい。

 交通事故で死んだ笙吾(吉沢悠)は流星の力で数日間だけ再び生きることを許される。ただし、自分の正体を知られた瞬間に消えるという条件付き。笙吾はかつて交通事故に遭って、視力と声を失い、自暴自棄になったが、看護婦の奏(竹内結子)に支えられて生きる意欲を取り戻した過去がある。その奏と愛が芽生え始めたのを自覚したところで、死んでしまうのだ。生き返った笙吾は自分の生命保険3000万円を思い出し、保険会社の社員を装い、アメリカに行きたがっていた奏を受取人にしようと画策する。しかし、絶望に沈む奏にとって、見ず知らずの男は迷惑なだけで、拒絶される。

 「天国から来たチャンピオン」のように笙吾は生前とは違う姿で生き返るが、どんな風貌なのか映画を見ている者には分からないのがつらいところ。良いところもあるのだけれど、隅々まで気を配っていない作りが惜しい。吉沢悠の目が見えないようには見えないとか、交通事故を3度も出すのはどういうわけだとか、いくらなんでもリハビリのシーンであの暴力はないだろうとか、所々に引っかかる部分がある。

 竹内結子は「黄泉がえり」とは立場を逆にした役柄。彼女はナチュラルな感じがいいのだから、過剰な演出は不要だろう。監督は冨樫森。もっと細やかな作りが欲しいところだ。