2007/03/26(月)「氷の微笑2」

 14年ぶりの続編。といっても何も話はつながっていない。何しろラジー賞作品賞と主演女優賞など4部門受賞なので、つまらないだろうなあと思いつつ見始めてやはりつまらなかった。監督はマイケル・ケイトン・ジョーンズ(「メンフィス・ベル」)なのに、この脚本ではどうしようもなかったのだろう。

 シャロン・ストーンは前作の翌年ぐらいにこの映画を撮るべきだった。14年の年月は残酷で、いくら色っぽい格好をしても前作には到底及ばない。スタイルがそれほど崩れていない(というか、同年代の女性に比べれば素晴らしいスタイル)なのだが、48歳(撮影当時)ではこの役柄には無理がある。それ以上に主人公の精神分析医(デヴィッド・モリセイ)がバカにしか見えないのが致命的か。

 シャーロット・ランプリング(60歳)を出したのはストーンを引き立てるためなのかと勘ぐりたくなってくる。ランプリングに比べれば、ストーンははるかに若く見える。

 ストーンが本当にきれいだったのは「氷の微笑」の前後の時期だった。この頃にアカデミー賞の授賞式でプレゼンターとして登場した時、「光り輝いてるな」と思ったものだ。その後、良い作品がなかったのは作品選択を誤ったのだろう。最初にストーンを見たのは「キング・ソロモンの秘宝2」でこの時は人形みたいな女優だなと思った。これは褒め言葉ではなく、演技が全然できていないということ。それがポール・バーホーベン「トータル・リコール」でシュワルツェネッガーの妻役を演じて、その悪女ぶりにクラクラした。バーホーベンは女優を撮るのがうまいなと思う。