2002/02/26(火)「ソウル」

 引き続きアクション映画。監督はやはり2作目の長澤雅彦(「ココニイルコト」)だが、こちらは十分な予算がかかっているようだ。

韓国を舞台に日本の刑事(長瀬智也)と韓国の刑事(チェ・ミンス)が反発しあいながら、頻発する現金輸送車強奪事件とアジア首脳会議開催阻止を予告するテロリストグループを追う。

 殴られ続けて「またグーかよー」と愚痴をこぼすTOKIOの長瀬は意外な好演。韓国の大スター、チェ・ミンスはやや類型的な役柄ながら貫禄の演技を見せる。加えて通訳役のキム・ジヨンも清潔感があっていい。問題は脚本で、あまりにも「ダイ・ハード」の影響を受けすぎている。テロリストグループと現金強奪犯がクロスしてくるぐらいはまあ仕方がないにしても、チェ・ミンスが部下を誤射した過去があるという設定は何かほかに変えられなかったのか。長谷川康夫は「ホワイトアウト」の脚本にも参加していたというが、引き出しの少ない脚本家なのだな。

 この脚本のせいで長澤雅彦の演出にも大味な部分を感じてしまう。スタッフは日本と韓国から参加しており、合作映画の趣。日本人俳優も長瀬智也しか出ていないが、予算のほとんどは多分日本側の出資ではないか。ビリングのトップに長瀬が来るのを見てもそんな感じ。「日韓国民交流年記念映画」との字幕はちょと恥ずかしい。

 それにしても「修羅雪姫」も「ソウル」も観客はまばら。アイドルを主演にしても興行的にはあまり効果がないらしい。