2002/02/12(火)「オーシャンズ11」

 「オーシャンと11人の仲間」(1960年、ルイス・マイルストン監督)のリメイク。ラスベガスの豪華ホテルの金庫に眠る1億5000万ドルを刑務所から出所したばかりのダニエル・オーシャン(ジョージ・クルーニー)と11人の仲間が盗もうとする。スティーブン・ソダーバーグの前作「トラフィック」とは全く異なる軽い仕上がり。

 ホテル王ベネディクト(アンディ・ガルシア)を騙すコンゲーム的要素があるので観客にも罠を仕掛けてくる。ただ、これも軽い仕掛け。盗みの作戦自体は「スパイ大作戦」を思わせる。ソダーバーグはソフィスティケートな映画を目指したという。盗みだけではドラマティックにならないので、オーシャンと別れた妻(ジュリア・ロバーツ)との関係を味付けにしているのがポイント。これがよく効いている。メンバーを紹介する序盤は単調だけれど、盗みの作戦が始まる中盤から面白く、長い描写を持たせる工夫を懲らしている。過不足なく楽しめる水準作というところか。

 マット・デイモンやブラッド・ピットは相変わらずうまい。オーシャンたちに協力する元ホテル経営者役でエリオット・グールドが出演。老けましたねえ。一目ではだれか分からなかった。