2000/12/07(木)「遠い空の向こうに」

 NASAの技術者が書いた原作「ロケットボーイズ」をSF映画のみ発表し続けているジョー・ジョンストンが監督した。実にウエルメイドな作りで、ラストのどこまでもどこまでも空高く上っていくロケットを見て、胸が強く揺さぶられた。原作よりも話は単純化してあるようだが、父と子の相克、決して夢を捨てない主人公の生き方、古い時代(炭坑)と新しい時代(ロケット)を対比させた構成が素晴らしい青春映画と言える。主人公が選んだのはロケットだったが、子どもが父親とは別の道を選び、自分の夢を実現していく話として普遍性がある。

 主人公を理解し、支援する女性教師役で久しぶりのローラ・ダーン、主人公の父親は「アメリカン・ビューティー」の隣人クリス・クーパーが演じている。

 ジョンストンは「スター・ウォーズ」「ハワード・ザ・ダック」などのスタッフを経て「ミクロキッズ」で監督デビュー。その後「ロケッティア」「ジュマンジ」ときて、「遠い空の向こうに」は劇場映画では監督4作目に当たる(来年、「ジュラシック・パーク3」の公開が控えている)。だから主人公が映画の中で「縮みゆく人間」(「ミクロキッズ」の元ネタ)を見るのも当然なのだった。紛れもないSF人間なのですね。