2016/05/27(金)創刊60周年
ミステリ・マガジンのこと。創刊は1956年7月号だそうで、2016年7月号で創刊60年になった。ミステリ・マガジンを毎号欠かさずに買うようになったのは1983年ごろからだから33年。半分強は読んでいることになる。といっても掲載されている短編はほとんど読まない。コラムと書評目的で毎号買っている。
今号には過去に掲載したコラムが再録されていて、都筑道夫さんの「読ホリデイ」とか青木雨彦さんの「共犯関係」とか瀬戸川猛さんの「夢想の研究」とか懐かしくてたまらない。「読ホリデイ」はディーン・クーンツの「十二月の扉」を取り上げていて、クーンツとスティーブン・キングの比較に関しては今読んでもそのまま通じる。年月がたったからといって、通用しなくなるような批評は批評とは言えないのだ。
懐かしいのはいいのだが、初掲載がいつなのか書かれていないのは残念。これはしっかり書いておいてくださいよ、早川書房さん。
僕が購読し始めて間もないころ、ミステリ・マガジンは長編分載を始めた。その頃に読んで、文庫になってまた読んで、昨年新訳で再刊されてまたまた読んだのがマーガレット・ミラーの「まるで天使のような (創元推理文庫)」。ミステリ・マガジン掲載時に「パトリック、パトリック、オー・マイ・ゴッド、パトリック!」の場面で言いようのない感動を覚えた。昨年読み返した時にはこの場面の衝撃は分かっていたが、そこに至るまでの小説のうまさに感心させられた。この1作でミラーは夫のロス・マクドナルドの業績に匹敵すると思う。
それにしても、ミステリ・マガジンが隔月刊なのは物足りない。そろそろ月刊に戻してはどうでしょうかね。