2024/11/24(日)「劇場版 進撃の巨人 完結編THE LAST ATTACK 」ほか(11月第4週のレビュー)

 amazonのブラックフライデーセールが29日から始まります。テレビ台と一体型のホームシアターシステムの調子が悪くなったのでサウンドバーを買おうと思ってますが、買いたい製品の今の価格を調べると、amazonよりもYahoo!ショッピングの方が1万円ぐらい安いです。amazonはセール開始と同時に安くするのかもしれません。いずれにしても、買う前に他のサイトの価格を調べた方が良いですね。amazonがいつも一番安いわけではないですから。

 で、サウンドバーですが、サブウーファーが別タイプのやつか、一体型のタイプかで迷ってます。近所への音漏れを考えると、一体型の方が良いのでしょうが、悩ましいです。ちなみにサブウーファー、マンションなどの集合住宅では階下の部屋から苦情が来ることが多いそうです。底面にスピーカーがある構造上、そうなるのも納得です。

「劇場版 進撃の巨人 完結編THE LAST ATTACK 」

 「進撃の巨人 The Final Season完結編」としてテレビ放送された前編(60分)と後編(84分)を再構成した劇場版。上映時間は145分なので、内容はほぼ同じなのでしょう。エンドクレジットの後におまけのシーンがありますが、これは原作コミック最終34巻の巻末にある見開き漫画「進撃のスクールカースト」をアニメ化したものです。原作者の諫山創は各巻末に毎回、こういう漫画を掲載していて、34巻のそれは作者あとがきのような内容になっています。映画にはなくても良かったんじゃないですかね。

 物語は原作の33巻と34巻に当たり、主人公エレン・イェーガーが壁外人類を巨人によって殲滅するために発動した“地鳴らし”をミカサやアルミンら調査兵団が止めようとする話。こう書いて意味が分からない人は見る必要はありません。ここに至るまでにテレビアニメにして87話もあるわけですから、冒頭に要約を入れるなど初心者に親切な作りにすることには無理があります。

 IMDbの採点を見ると、9.3という恐ろしく高い点数が付いてます。8100人が投票していて、86%が10点満点。「進撃の巨人」の原作もアニメも知らない人がこれを見て満点を付ける可能性は低いでしょうから、採点者のほとんどはファンと考えて良いでしょう。

 テレビアニメは第3シーズンまで(59話まで)をWIT STUDIOが担当し、ファイナルシーズン(87話までと前後編)をMAPPAが製作しました。僕は絵のタッチが微妙に異なることに違和感があり、68話でリタイアしましたが、映画を見て再び57話(過去の経緯が明らかにされます)から見直し始めました。

 完結編の前編、後編はamazonやU-NEXTなどで既に配信されています。Netflixではこれをばらしてファイナルシーズンパート3(全7話)として配信しています。

 劇場版は当初3週間限定上映の予定でしたが、ヒットしているので延長が決まったそうです。
▼観客5人(公開12日目の午後)2時間25分。

「アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師」

 韓国ドラマ「元カレは天才詐欺師 38師機動隊」(2016年、全16話)を「カメラを止めるな!」(2017年)の上田慎一郎監督が翻案・脚色(岩下悠子と共同)して監督。同僚の自殺の原因となった巨額脱税の男に復讐するため税務署職員が詐欺師グループと手を組むエンタメ作品です。

 コンゲームの映画には大ネタ小ネタを絡めた「スティング」(1973年、ジョージ・ロイ・ヒル監督)という偉大な傑作があるので、つい比較してしまいますが、あのレベルには達していないものの、笑いを交えて気分が良くなる作品になっています。主役の税務署職員を演じる内野聖陽も詐欺グループのリーダー役の岡田将生も好演。脱税男の小澤征悦の卑劣さ憎々しさはいかにも元が韓国ドラマという感じです。ただ、サブタイトルは一工夫ほしいところでした。これで先が読めてしまう人もいるでしょう。

 元ネタのドラマはamazonプライムビデオで第1話のみ見ることができます。税務署職員を演じているのはマ・ドンソク。出世作となった「新感染 ファイナル・エクスプレス」(2016年、ヨン・サンホ監督)の直前に出たドラマのようで、まだ強烈パンチの腕力を売り物にはしていません。
▼観客5人(公開初日の午後)2時間。

「SONG OF EARTH ソング・オブ・アース」

 ノルウェー西部の山岳地帯“オルデダーレン”に暮らす高齢夫婦の生活に1年間密着したドキュメンタリー。撮影したのは夫婦の娘で監督のマルグレート・オリン。ヴィム・ヴェンダース監督とノルウェー出身の女優リブ・ウルマンが製作総指揮を務めています。

 フィヨルドの壮大な景観や美しく厳しい自然描写があり、大画面向きの映画です。家庭の小さなテレビでは魅力は伝わらないでしょう。もっとも、僕は壮大な自然というものにあまり興味がなく、「馬の耳に念仏」「豚に真珠」状態で画面を眺めていました。
IMDb7.1、メタスコア85点、ロッテントマト100%。
▼観客6人(公開2日目の午前)1時間34分。

「ヴェノム ザ・ラストダンス」

 タール状の地球外生命体シンビオートとそれに寄生された男エディ(トム・ハーディ)の活躍を描くシリーズ3作目。悪評を目にしていたので期待しませんでしたが、そんなに悪くないという印象。少なくとも壊滅的にダメだった2作目の「レット・ゼア・ビー・カーネイジ」(2021年、アディ・サーキス監督)より良いと思いました。

 創造神ヌルが地球に送り込んできたシンビオートの怪物と戦うエディとヴェノムを描いています。シリーズ完結と銘打っていますが、続きが作れそうなラストではありました。監督はシリーズに脚本家・プロデューサーとして関わってきた女優ケリー・マーセル。
IMDb6.2、メタスコア41点、ロッテントマト40%。
▼観客7人(公開21日目の午前)1時間49分。