2011/05/05(木)「地獄門」
これもBSプレミアムで放送。デジタル・リマスター版。菊池寛の原作「袈裟と盛遠」を衣笠貞之助監督で映画化。長谷川一夫が人妻(京マチ子)に横恋慕する迷惑な男を演じる。カンヌ映画祭グランプリとアカデミー衣装デザイン賞、名誉賞(今の外国語映画賞)を受賞したのは有名。主にカラーの美しさの評価なのだろう。昭和28年当時は驚異的な技術であっても、今見ると、なんてことはない。というより、カラーが人工的に感じる。今の映画のナチュラルさに比べて、作った色合いに見えるのだ。
映像の技術よりも物語とそれを語る技術の方が普遍的なのではないかと思う。今のCG多用映画も50年後には陳腐なものになっているかもしれない。いや、今でも陳腐な映画は多いんですけどね。BSプレミアムではデジタル・リマスターの放送が相次いでいる。映画がきれいになることは歓迎すべきことではある。