2011/04/23(土)「しあわせの雨傘」
フランソワ・オゾン監督。中高年女性向けの映画。飾り壺(原題のPotiche)と呼ばれていた主婦(カトリーヌ・ドヌーブ)が夫の病気をきっかけに夫の代わりに雨傘工場の社長を務め、自立していく。
退屈せずに見たが、男の立場からすると、別にどうということもない映画。ドヌーブと相手役のジェラール・ドパルデューを見ていると、太るにもほどがある、と思えてくる。特にドパルデュー。映画に出るのなら、もう少し体型に気を遣ってはどうか。フランスは役者の体型に甘いのか。主演の2人があと20歳ほど若ければ、説得力があったかもしれない。
2011/04/23(土)「クリスマスに少女は還る」
昨年、このミスで1位となった「愛おしい骨」のキャロル・オコンネルの小説で2000年版このミス6位。個人的には「愛おしい骨」より面白かった。
「クリスマスも近いある日、二人の少女が失踪した。刑事ルージュの悪夢が蘇る。十五年前に殺された双子の妹。だが、犯人は今も刑務所の中だ。まさか? 一方、監禁された少女たちは奇妙な地下室に潜み、脱出の時をうかがっていた」という物語。
終盤に驚愕すること請け合い。意外な犯人には驚きもしないが、読者に仕掛けるトリックが秀逸。物語の魅力になっている部分にトリックがある。それがトリックだけに終わらず、物語とキャラクターの深みにつながっているのが良い。「愛おしい骨」の解説で川出正樹は「超絶技巧の」と紹介していたが、なるほどと思った。
2011/04/23(土)「渇き」
輸血でバンパイアになってしまうという設定がどうも弱いのだが、それ以上にパク・チャヌク監督作品としては物足りない。エロもグロも描写が大したことない。10キロ減量したソン・ガンホと人妻役のキム・オクビンは頑張っているが、おじさんと小娘にしか見えず、官能性が高まっていかないきらいがあるのだ。
2011/04/23(土)Power DVD11
21日に発売された。DTCP-IP機能に対応したそうなので、バージョンアップ版を購入。DiXiM Digital TV Plusは持っているが、動作が少し遅く、ユーザーインターフェースも優れているとは言いがたい。Power DVD11は動作はきびきびしているけれど、見たところまでを記憶していないのが大きな弱点。どこまで再生したかを覚えているDiXiMとは違い、ローカルファイルもサーバー上のファイルも常に最初から再生してしまうのだ。これは僕のように空き時間に少し見るのを繰り返すようなユーザーには大きな不満となる。改善してほしいものだ。
今回の目玉機能はスマートフォンで操作できるアプリ。Deluxe版以上のユーザーは無料で使用できる。操作にはパソコンとスマートフォンが同じWiFiネットワーク内にあることが必要で、Power DVD11をリモコン操作できるほか、スマートフォン内の写真や動画をパソコンのPower DVD11で再生できる。ただし、IS03にインストールしてみたら、アプリの画面が全画面にならず、左側に偏って表示される。なんだこりゃ、というレベルの完成度。同じAndroidケータイでもメーカーの仕様は異なるからかもしれないが、もう少し考えて作って欲しいものだ。
というわけで、サイバーリンクのソフトで100%の満足は得られない、という昔からの法則(?)を再確認した次第。ま、DTCP-IP機能が付いたのは大きな進歩ではある。ブルーレイディスク再生とDLNAでの再生の2つのソフトを使い分ける必要はなくなったし、コストが安くなるのは良いことではある。
2011/04/11(月)「ラスト・ハウス・オン・ザ・レフト 鮮血の美学」
ウェス・クレイブンのデビュー作「鮮血の美学」(1972年)はイングマール・ベルイマン「処女の泉」(1960年)のストーリーをベースにしたものとして有名。ベルイマンが「神の沈黙とそれに向き合う人間をテーマ」にしているのとはまったく違い、残虐シーンをてんこ盛りにしたものらしいが、見ていない。そのリメイクがこれ。どうせ同じレベルの志の低い作品だろうとバカにして見始めたら、サスペンスフルなバイオレンス映画としてまずまず良く出来ていて少し驚いた。
警察から逃れた犯人グループ(男2人と女1人プラス、善良な少年)に捕まる少女2人のサスペンスから暴行・殺人シーンを経て、少女の別荘に偶然、犯人たちが来るという展開。両親は娘がひどい目に遭わされたことを知り、犯人たちに復讐をする。犯人の1人は「ローリングサンダー」(1977年、ウィリアム・ディベイン主演)のあのシーンを彷彿させる殺され方をする。主犯格の男も台所の器具を使ったひどい殺され方。監督はギリシャ人のデニス・イリアディスでこれが2作目らしい。サスペンス描写に力があり、この名前は記憶しておいても良さそうだ。2009年、劇場未公開。