2011/04/30(土)「ヴィクトリア女王 世紀の愛」
若き日のヴィクトリア女王とアルバート公を描く。僕にはほとんど興味を持てない題材、ということはよく分かった。なにが世紀の愛なんだか。原題はThe Young Victoria。ヴィクトリアを演じるのは「プラダを着た悪魔」のエミリー・ブラント、監督はジャン=マルク・ヴァレー。アカデミー衣装デザイン賞を受賞した。これは納得。
2011/04/30(土)「Queen Victoria 至上の恋」
1997年の作品。アルバート公が腸チフスのために42歳で死んで3年後のヴィクトリアと侍従のブラウンの秘めた恋を描く。というか、2人の恋心は公然の秘密となって、それが巻き起こす騒動を描いている。ヴィクトリアを演じるのはジュディ・デンチ。40代半ばの設定とはいえ、「ヴィクトリア女王 世紀の愛」のエミリー・ブラントとはあまりに落差がありすぎる。
Wikipediaにある50歳のヴィクトリア女王の写真を見ると、容姿はジュディ・デンチの方が近かった。デンチはこの映画でアカデミー主演女優賞にノミネートされた。監督は「恋に落ちたシェイクスピア」のジョン・マッデン。評判は良い映画だが、やはり僕にはあまり興味が持てなかった。
2011/04/30(土)「エリザベス:ゴールデン・エイジ」
クライマックス、スペインの無敵艦隊との戦いが弱い。戦いの断片を描くだけで全体像が見えてこないのだ。監督のシェカール・カプールはスペクタクルな描写に興味がないのだろう。というか、撮れないのだろう。
1998年の「エリザベス」から9年後に撮られた同じスタッフ、キャストによるエリザベス1世の物語。ケイト・ブランシェットは好きな女優なのだが、コスチュームプレイは似合わないと思う。「エリザベス」よりもその次の「バンディッツ」で僕はブランシェットの魅力が分かった。
2011/04/30(土)「カティンの森」
第2次大戦中、ポーランド軍将校ら1万2000人が虐殺されたと言われるカティンの森事件をアンジェイ・ワイダ監督が映画化。ワイダ監督の父親も事件の犠牲者であるという。この映画を撮った時、ワイダ監督は80歳を超えていたが、硬質で緊張感あふれる画面構成は老いを感じさせない。機械的に淡々と行われるラストの処刑シーンには背筋が凍り付く。
戦後、ソ連に支配されたポーランドで事件が封印されたことも怖い。ソ連は事件をドイツ軍の犯行として喧伝し、異を唱える者を迫害する。それでも自分に嘘をつくことを拒否する人々の姿が胸に迫る。ワイダ監督らしい人物像だ。ドイツ軍とソ連軍に支配され続けたポーランドの悲劇を描き、被支配者の怒りに満ちた傑作。