2013/04/29(月)キャッシュ管理
パーソナルファイナンスサービスのMoneyLookを昨年から使っている。銀行や証券、各種ポイントなどのサイトに自動ログインして残高や明細を取得してくれるソフト。これにはキャッシュ管理という家計簿機能があるが、毎日の記入が面倒と思い、これまで使っていなかった。資産運用は家計管理からと、どんな投資関係書籍にも書いてあるので使うことにした。家計簿としては当たり前のことだが、1カ月に自分がどれぐらい消費しているか、今月あとどれぐらい使えるかがよく分かり、使いすぎを防げる。外出先から専用アドレスにメールを送ることで、使った項目を追加できる。これなら記入漏れの防止につながるだろう。
MoneyLookはデータをローカルのパソコンに保存する方式だが、キャッシュ管理に関してはサーバー上に保存しているのだろう。だから、項目ごとに他のユーザーの過去1カ月の平均支出を見ることができる。皆さん、貯蓄は1カ月にどれぐらいしているのかと思って見てみると、8万円余りだった。MoneyLookのユーザーは貯蓄に熱心なようだ。投資という項目はないので、貯蓄に分類している人が多いと思う。ローンは7万円余り。保険は3万円余り。他の項目に関しては給料日が過ぎたばかりなのであまり参考にならない。給料日前日なら1カ月間の消費動向が分かるだろう。
家計簿に興味がわいたのでスマホのアプリを捜してみた。評判の良い「Zaim」と「かけーぼ」をインストール。記入しやすく、カスタマイズしやすいのは断然、「かけーぼ」の方。よく考えてある。「Zaim」は将来的にパソコンでも記入できるようになるそうなので、そうなると最強かもしれない。今はOCN家計簿と連携できるが、記入は常にアプリからじゃないと、反映されない。MoneyLookがスマホにも対応してくれると、言うことないんですけどね。有料でもいいから、アプリを出してくれないだろうか。うきうき家計簿はスマホでも表示と記入ができる。消費項目の追加・変更ができるのが優秀。これが現時点では最強かな。
今月はクレジットカードに多額の支払い(車検と次女のiPhoneの代金)があったので、給料日からわずか3日目で赤字に突入。まだ3週間以上あるのにこれでは気が重い。
2013/04/29(月)「愛、アムール」
カンヌ映画祭パルムドールとアカデミー外国語映画賞受賞。老いと老老介護と人間の尊厳を織り込みつつ、映画は普通に進行するが、最後でミヒャエル・ハネケらしさが出たと言うべきか。納得のいくラストだ。これは途中にある夢(悪夢)のシーンと呼応していて、悪夢で叫び声をあげた主人公はラストでは穏やかに(知らずに)運命を受け入れる。
83歳のジャン=ルイ・トランティニャンと86歳のエマニュエル・リヴァが老夫婦を演じる。劇中、若い頃のアルバムが出てくるが、そこに写っているトランティニャンは精悍な顔つきをしている。僕にとってのトランティニャンは「男と女」の男ではなく、アラン・ドロンと共演した「フリック・ストーリー」の犯罪者役だ。若い頃の姿を知っているからこそ、この映画はリアルに迫ってくる。
ある朝、食事中に突然、妻は反応しなくなる。病院で手術を受けるが、うまくいかず、右半身が麻痺してしまう。妻は家に帰って、「もう病院には入れないで」と懇願する。そこから夫の自宅での介護が始まる。妻は一向に良くならず、病状は進んでいく。老いが絡んでいるから、回復する見込みはない。車いすから、ついには寝たきりになる。自分の寝たきりの姿を他人には見せたくない妻と、言うことを聞かない妻への苛立ちを持ちながらも懸命に介護する夫。ハネケは2人の姿を淡々と描いていく。
同じくパルムドールを受賞したハネケの前作「白いリボン」とはまるで題材が異なるが、不思議なことに冷たい感触は共通する。「愛」というタイトルだからといって、決してこの映画、温かな映画ではない。介護の現実はそんなに生やさしくはなく、きれい事では済まないことをハネケはわきまえている。
幸福感を持たせて締めくくったのは70歳のハネケにとっても老いは他人事ではないからだろう。元々、この映画、ハネケの家族に起こった同じようなことを題材にしているのだという。