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2022年02月08日の記事

2022/02/08(火)「ウエスト・サイド物語」のキャプテン・マーベル

 スピルバーグ版の公開に備えてU-NEXTで「ウエスト・サイド物語」を見ていたら、アメコミを読んでいるジェット団の青年のセリフで「キャプテン・マーベル」が「マーヴェル船長」と訳してあって、あれれと思った。近年付けた字幕ではないのだろう。U-NEXTは字幕担当者を表示しないので、2014年にWOWOWから録画したものを確認したら、字幕担当は菊地浩司さんだった(U-NEXTが菊地さんの字幕をそのまま使っているかどうかは分かりません)。
「ウエスト・サイド物語」でキャプテン・マーベルに言及する場面

 間違いをどうこう言うよりも、61年前の映画のセリフに出てくるほど「キャプテン・マーベル」が一般的だったことの方を驚くべきなのかもしれない。

 これで納得していたのだが、調べてみると、マーベル・コミックの「キャプテン・マーベル」が出版されたのは1967年らしい。となると、1961年の「ウエスト・サイド物語」で言及されるキャプテン・マーベルは僕らが知っているキャプテン・マーベルとは別人ということになる。

 Wikipediaを見ると、キャプテン・マーベル (DCコミックス)という項目があった。なんと、DCにもキャプテン・マーベルがいたのだ。「シャザムとしても知られている架空のスーパー・ヒーロー」とある。2019年に映画化されたあの「シャザム!」ですね。初登場は1940年。この時はフォーセットコミックスから出版され、その後、1970年代にDCが版権を獲得したそうだ。「この時マーベル・コミックが社名などでマーベルを商標登録していたため、『キャプテン・マーベル』の使用を避け『Shazam!』に改題された」とのこと。

 だから、「ウエスト・サイド物語」の字幕は「マーヴェル船長」を「キャプテン・マーベル」に直すと誤解の元になるので、「シャザム!」と意訳した方が良いです(……ダメです、61年にはまだシャザムじゃなかったから)。

「ウエスト・サイド物語」のブルーレイがamazonでは1400円だった。買いたくなるなあ。