2014/05/10(土)au WALLET申し込み

 21日からサービスを始めるau WALLETは6月末までに申し込んでチャージをすれば、1000円+チャージ金額×15%がもらえる。じぶん銀行からチャージすれば、さらにチャージ金額×5%が加算される。上限の25000円をチャージすると、4750円もらえるわけで、これだけでもWALLETを作る理由にはなる。楽天Edy、Suica、nanacoを使っているので電子マネーはもう不要と思っていたが、4750円は大きな魅力。さっそく申し込んだ。途中に2段階認証(携帯にCメールが届く)が入るが、クリックしていくだけで申し込める。クレジットカードとは違うし、携帯加入者の身元は分かっているので審査がないのだろう。

 WALLETに関してはポイ探ニュースが詳しい。メリットはマスターカードが使える店ならどこでも使えること。auがおサイフケータイにせず、プラスチックカードにしたのはこのメリットも一因なのではないかと思う。店舗に専用のリーダーを置く必要がないので導入コストが削減できるのも大きい。

 現在のauポイントは今後、WALLETポイントに変わる。これまでは家族の携帯電話料金を一括で支払っていた場合、auポイントが合算してたまっていたが、WALLETポイントはau IDごとにたまる。これはデメリットで、1人分の携帯電話料だけではポイントのたまるペースが落ちるだろう。ためたポイントが現金として使えるのはnanacoと同じ。これは他のポイントへの交換などより分かりやすい。

 チャージはじぶん銀行のほか、マスターカードやauかんたん決済からできる。子供に持たせてauかんたん決済で勝手にチャージされたらたまらないな、と思う。未成年のチャージがWALLETポイントからしかできないのはこれを防ぐためだろう。でも大学生の場合はできてしまう。自動チャージの設定をされたら際限がない。楽天Edyにも言えることだが、自動チャージの仕組みはない方が良いと思う。

 チャージでポイントがたまるクレジットカードはポイ探ニュースには「三菱UFJニコスとクレディセゾンの広報にそれぞれ確認した所、au WALLETへのチャージに関しては、ポイント付与対象外とはなっていない」とある。これ以外のカードについては不明で、auのサイトにもまだ書いてないが、auへの支払いをカードにしているなら、チャージをauかんたん決済で行えば、カードのポイントも間接的に付くことになるのではないか。auのご利用いただけるクレジットカードを見ると、JCB、VISAなど各社のカードがあるので、ポイントの二重取りは可能だと思う。それともチャージの分だけポイントが付かなくするのだろうか? JCBやVISAで直接WALLETへのチャージはできないが、auかんたん決済の支払いには使えるというのはややこしい。→かんたん決済経由でチャージできるのは「三菱UFJカード (MasterCard/Visa)、DCカード、NICOSカード、セゾンカード (MasterCard/Visa/JCB)のみ」だそうだ。うーん、残念。

 いずれにしても、じぶん銀行のチャージで5%付与される12月末までは(口座を持っている人は)じぶん銀行でチャージした方がお得だ。このキャンペーン、ネット銀行の中では規模が小さいじぶん銀行の利用者を増やすのにも効果があるだろう。

2014/05/06(火)Discover Pro

Discover Pro

 予定より2カ月早くゴルフ7が2日に納車された。一般的な装備(バイキセノンヘッドライト+Discover Proパッケージ)だったので、他のディーラーと交渉して先に取り寄せることができたらしい。さっそく3-5日に福岡まで往復し、約700キロ走った。このうち高速道路は600キロほど。最高出力が140馬力では少し物足りないかなと思っていたが、170馬力のGT-TSIと比べて遜色なかった。250Nmの最大トルクが効いている。

 高速を走っていて便利だったのはアダプティブ・クルーズコントロール(ACC)で、いったんオンにすると、アクセルもブレーキも踏む必要がない。先行車の速度にぴたりと追随し、適当な車間距離を保ってくれる(車間距離の設定は近い、やや近い、中間、やや遠い、遠いの5段階)。高速であまり追い越しをかけず、90-100キロ程度で巡航する僕のようなタイプにはとてもありがたい機能だ。ACCの設定速度の変更はステアリングにあるボタンからできる。レーンキープアシストシステムが働いているので、車線をはみ出しそうになったら補正してくれる。自動運転までもう少し、というところだ。もっとも、ACCは先行車の急ブレーキには対応していないから注意は必要だ。

 途中で1時間ほど渋滞に巻き込まれたが、燃費はリッター18キロだった。メーカー発表のJC08モードは19.9キロだから、まずまずか。運転していて、おっと思ったのは緩やかなカーブが連続する長い下り坂でエンジンの回転数が急に上がったこと。マニュアルでシフトダウンしたわけではない。一度だけならまだしも二度あったので、エンジンブレーキをかけるため自動でシフトダウンする仕組みを備えているのだと思う。坂道でブレーキを踏み続けるのは危険なので、それを回避しているのだろう。

 Discover ProはカーナビのほかAV機能(テレビ、ラジオ、DVD、CD、SDカード)と車両情報表示、ハンズフリーフォン(BLUETOOTH接続)など。音楽ファイルを取り込めるスペースは12GB程度で3000ファイルまでの制限があるようだ。CDからの録音とSDカードからの取り込みの両方をやってみた。CDからWAVで録音すると、ファイルサイズが大きくなるし、表示される曲名がファイル名になってしまう。MP3に変換してIDタグを入れ、SDカードから取り込んだ方がいいようだ。写真はamazonのMP3ダウンロードで購入した「アナと雪の女王」日本版サウンドトラックを再生しているところ。ダウンロード購入のものはこんな風にジャケット写真も表示できるのでいい感じだ。スマホに入れた音楽はBLUETOOTH接続で聴ける。曲名は出ない。僕はラジオNIKKEIを聴くことが多いので、BLUETOOTHは音楽よりもラジオを聴く際に使うことが多くなるだろう。

 ラジオもテレビも受信できる放送局を自動で表示する。テレビは起動ボタンがなく、メニュー画面から選択しなくてはいけないのが難点。走行中は画面表示ができないので、こういう仕様にしたのかもしれない。TVキャンセラーは販売されているが、27,000円もする。一度プログラムを書き換えるだけで、この価格は高いと思う。

 肝心のカーナビ機能はまずまず。「左折専用レーンがあります」など余計なアナウンス(設定でオフにできる)がある割に、必要なアナウンスがなかったりする(一度、道を間違えた)。カーナビのデータは3年間は無料で更新できるそうだ。

 ちなみに、例えばCar Watchには「エアコン操作部の下のハッチを開くとオーディオの外部入力、USBポートがある」と書いてあるが、僕の車にはiPhone用のドックコネクタしかない。初期のバージョンと変わったのだろうか。Discover Pro非装着車にはあるのかもしれない。いくらiPhoneのシェアが(日本では)約7割もあるとはいえ、Android派にとってあまりと言えばあまりの仕打ちじゃないでしょうか。ま、スマホの充電はシガーソケット(ただし、タバコに火はつけられない。単なる電源)からできるので支障はないんですけどね。

2014/04/30(水)再読したい「夜明けの睡魔」

 ミステリマガジン6月号の「小さな異邦人」の書評を読んで、連城三紀彦の作品が読んで見たくなった(読んだことなかったんです)ので、電子書籍で「戻り川心中」を読んだ。収録された短編5編のうち、推理作家協会賞を受賞した表題作が最も面白いが、どう考えてもこの主人公、精神的に病んでいる。普通の人はこういうことを考えないし、考えても実行はしないだろう。

 考えてみると、アガサ・クリスティー「そして誰もいなくなった」やエラリー・クイーン「Yの悲劇」の犯人も一種のサイコパスだ。普通の人には予想もつかない犯行を実行する点でどこかに異常さが潜んでいる。亡くなったミステリ評論家の瀬戸川猛資さんも名著「夜明けの睡魔」で「Yの悲劇」の犯人の異常性を指摘していたと思う(本が行方不明になっていて確認できない)。

 創刊700号を記念したミステリマガジン6月号ではミステリ関係者71人が思い出のコラムについて語っていて、「夜明けの睡魔」を挙げている人が多い。瀬戸川猛資さんはハードボイルドや冒険小説に冷たい視線を送っていた人で僕とは好みが正反対なのだが、それでも納得できる指摘が多く、連載をまとめた「夜明けの睡魔」がミステリガイドの決定的な1冊であることに異論はない。どころか、ものすごく参考になり、それ以上に読んで面白い本だ。

 瀬戸川さんは映画ファンでもあり、映画に関する「夢想の研究」というコラムも連載していた。故双葉十三郎さんの「ぼくの採点表」単行本の編集者も務めた。映画ファンでミステリファンという人はけっこう多く、相関性が高いのではないかと思う。

 なんてことを書いていたら、「夜明けの睡魔」を再読したくなった。1980年代の連載をまとめた本で、1999年に文庫化されている。こういう名著こそ電子書籍化してほしいものだ。

2014/04/27(日)「アナと雪の女王」

 公開6週目にしてようやく見た。未だに親子連れで満杯状態だった。これはもう歌の力で長く記憶に残る作品になったと言って良い。オリジナルのイディナ・メンゼル「Let it Go」よりも松たか子「Let it Go ありのままで」の方が良いのは歌声が素晴らしいからではなく、表現力において松たか子がメンゼルを上回っているためだ。松たか子、素晴らしい。日本語吹き替え版でエンドクレジットに流れる(声量だけの)May J.にも軽く勝っているのは言うまでもない。興収が100億円を超え、サントラ盤が売れに売れているのも納得だ(僕もすぐに買って、繰り返し繰り返し聴いている)。

 「ありのままで」は映画の中盤に流れる。凍らせる能力によって人を傷つけることを恐れ、何年も部屋に閉じこもっていたエルサが雪山の中で自分の力をすべて発揮すること、自分を信じること、自由に生きることを肯定する場面だ。この場面の開放感がとても良い。この歌の素晴らしさのために当初とは物語が変わったそうだが、優れた歌にはそういう力があるのだろう。惜しむらくはこの場面、クライマックスに持って来ていれば、というか、そういうストーリー展開にしていれば、文句なしの名作になっていたのではないかと思う。

 と、ここで思い浮かべるのはピクサーの「Mr.インクレディブル」(ブラッド・バード監督)なのだけれど、あの映画ほど「ありのままで」のテーマ、自己実現の重要さが前面には出てこないのが惜しいのだ。エルサの凍らせる能力が何の役に立つのかが具体的には示されていないからだ。映画が描くように愛の力、自分よりも他人を思う力も大事だが、せっかく自分の力を信じるという歌があるのだから、これをもっと生かしても良かったのではないか。

 そこを除けば、映画はうまくまとまっている。雪だるまやトナカイなど脇役に至るまでキャラクターの設定も描き方もうまい。最近のディズニーは絶好調だが、その中でもこれはエポックメイキングだった「美女と野獣」に匹敵する充実さを兼ね備えた映画だと思う。

2014/04/20(日)「イノセンテの描く未来」

 アカデミー短編ドキュメンタリー賞を受賞した40分の短編。WOWOWで録画していたのを見た(解説ページ)。メキシコ系移民で15歳のホームレス少女イノセンテを描く。父親の暴力に耐えられず、母親はイノセンテと3人の弟たちを連れて家を出た。以来9年間、一家は路上や簡易宿泊所を渡り歩く生活をしている。生活苦から母親はイノセンテと一緒に心中を図ったことがあり、2人の間にはわだかまりが残ったままだ。イノセンテはホームレスに美術を教えるNPOから絵の才能を認められ、個展を開くことになる。

 ショッキングなのは最後に出た字幕。「アメリカの子供の45人に1人はホームレス」なのだという。学校のクラスに1人ぐらいの割合でいることになる。貧困は連鎖するし、人間、いつ貧困に陥るか分からない。アメリカにも生活保護の制度はあるそうだが、移民への適用は難しいのかもしれない。この映画、NHK-BSでも「イノセンテ ホームレスの少女が描く未来」のタイトルで放映した。IMDbの評価は7.4。

 続けてBS-TBSを見たら、「僕たちは昭和を生きた」という番組に作曲家の千住明さんが出ていた。千住さんはお坊ちゃま育ちと言われるのに反発して廃品回収のアルバイトをしたことがあるそうだ。その時、あるおじさんから弁当を半分食べさせてもらった。「後から聞いたんだけど、そのおじさんは弁当を昼食と夕食と2回に分けて食べる人だったのね。夕食の分をもらったわけ。僕はあのおじさんに届くような音楽を作りたいとずっと思ってきた」。千住さんの人柄を表すエピソードだと思う。