2004/11/03(水)「テキサス・チェーンソー」

 トビー・フーパーのカルト的な傑作「悪魔のいけにえ」のリメイク。リメイクとしては良くできている方で、なかなか怖い。フーパー版ではラスト、ヒロインがようやく逃げてトラックの荷台でヒステリックに笑い続けた。あれは極限の恐怖から解放されたために起きた笑いで、そのあたりがリアルだった。今回は、ヒロインが反撃に転じる場面から怖さがなくなる。よくある殺人鬼との対決になってしまうのだ。冒頭のヒッチハイクの場面はフーパー版では異常者一家の男だったが、今回は女。という風に細部が少しずつ違う。

 監督はMTV出身のマーカス・ニスペル。そのためかビジュアル面では申し分なく、荒野にポツンと立つ一軒家など冷たい感触の色合いは異常なホラーに良く合っている。最後に「物語は実際の事件に基づいているが、登場人物や地名はフィクション」と出る。実際の事件とは言うまでもなく、エド・ゲインの事件。しかし、ゲインはチェーンソーは使わなかっただろう。ヒロイン役のジェシカ・ビールは「ブレイド3」に出演するそうだ。