2014/09/14(日)「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」
派手なVFXがてんこ盛りだが、素性はB級作品。スペースオペラは本来がB級SFなので、当たり前と言えば当たり前か。物語はお宝の争奪戦というありふれたものだし、主役のピーター・クイルを演じるクリス・プラットは単なる肉体派でスター性があるとは言えない。VFXの出来も「スター・ウォーズ」や「アバター」などに比べると、驚くような部分はない。ジェームズ・ガン監督の演出もA級作品が備えるような格調の高さなんて微塵もなく、際立った部分は見当たらない。
しかし、B級であっても楽しめる作品は多くて、これもそんな1本になっている。特にアライグマのロケットと樹木型ヒューマノイドのグルートのコンビがC-3POとR2-D2を思わせるおかしさで楽しい。グルートは「私はグルート」としか話さないが、それでもロケットに意思が通じているところなんて3POとR2コンビそのままだ。予告編を見たときにはこんなメンバーで大丈夫かと思ったが、映画はこのコンビが強力に支えている。
「史上最もヒーローらしくないヒーロー」たちの冒険を描くこの映画にとってB級風味が漂うことは少しもデメリットにはなっていない。欠点だらけだけど愛すべきキャラクターたちの活躍する映画は大衆性を備える。ドラマティックな悲壮感も大上段に振りかぶった部分もない気楽に見られる映画であり、それが逆に好感度の高さにつながっている。
続編にはエンド・クレジットの後に出てきたマーベルのあのキャラクターも加わるんだろうか。