2011/05/05(木)「マイレージ、マイライフ」

 ジェイソン・ライトマンは父親のアイバン・ライトマンより才能あるなと思う。冒頭、短いショットを重ねて出張の準備をする場面で乗せられてしまう。後は一気呵成の展開。主人公のライアン(ジョージ・クルーニー)は家庭を持たず、出張で全国を飛び回る解雇請負人。会社に代わって、不要な社員に解雇を通告するのが仕事だ。同じような生き方をしているアレックス(ヴェラ・ファーミガ)との出会い、教育を担当させられた新入社員ナタリー(アナ・ケンドリック)との交流を通じてライアンは自分の生き方を見つめ直す。大人の女性を演じるファーミガがいい。

 知り合いがFacebookでこの映画のラストについて議論になっていると書いていた。果たして主人公は出張を続けるのか、辞めるのか。キャリーバッグの取っ手から手を離す場面があるからだ。主人公がどうするかは最後のナレーションから明らかではないかと思う。

 「今夜、人々は家族の待つ家に帰り、1日の話をして眠りにつく。昼間隠れていた星が輝く中、ひときわ輝く光がある。僕を乗せた翼だ」。