2001/10/29(月)「トレーニング デイ」

 日米でほぼ同時公開だから、余計な予備知識なく見る。LAPDの新人警官が麻薬捜査課に配属になる。その最初の1日を描く作品。上司のデンゼル・ワシントンは署に顔を出さず、カフェでホークに会い、そのまま街へ麻薬取り締まりに繰り出す。新人を実地にトレーニングするわけだ。ロスの麻薬の実態と暗黒街を描くように見せかけて実はこれ、キャスティング命の映画。予備知識まったくなしで見ると、後半の展開に意外性がある。ただし、同じロスが舞台で同じようなテーマ(時代は違うが)の「L.A.コンフィデンシャル」に比べると、演出の切れ味は良くないし、エンタテインメント性にも欠ける。

 どうも、後半は小悪党の自滅話みたいになってしまうのだ。もう一ひねりあると良かった。ロスの風景やギャングの凶暴さなどはリアル。主人公が凶暴なギャング3人に追いつめられる場面はありそうな感じである。ロスを描くことには成功している。ラストの決着の付け方は異論のあるところ。やはり主人公の手で終わらせるべきだろう。イーサン・ホークか、デンゼル・ワシントンかで視点が定まらなかった感じを受ける。

 アメリカではヒットしているが、ほかに面白い映画をやってないためもあるだろう。監督のアントニー・フュークワーは「リプレイスメント・キラー」、「Bait」(日本未公開)に続く第3作。