2022/02/06(日)「ゴーストバスターズ アフターライフ」ほか(2月第1週のレビュー)

「ゴーストバスターズ アフターライフ」は1989年の「ゴーストバスターズ2」に続く正当なシリーズ3作目。わざわざこんな言い方をしているのは2016年に女性版の「ゴーストバスターズ」(ポール・フェイグ監督)があったからで、あちらは番外編ということになるんでしょうかね。

旧作2本はダン・エイクロイドとハロルド・ライミスの脚本をアイヴァン・ライトマンが監督した緩いコメディでした。まだネットがなかった頃だったのでレイ・パーカー・ジュニアが歌う主題歌の大ヒットをテレビの洋楽番組(「MTV」だったかな?)で見て期待を膨らませ、映画館で見たら、「VFXに見どころはあるものの、普通の出来じゃないか」と少しがっかりしました。良くも悪くもビル・マーレイの個性に頼ったスラップスティック調の映画で、ダメな男たちがそれなりにゴーストをやっつけるという感じのクスクス笑える作品でした。

今回は少年少女が主人公なので中高生向けSF映画のイメージになっていて、正統的な続編といっても味わいは異なります。

都会での生活が苦しくなり、フィービー(マッケナ・グレイス)と母(キャリー・クーン)と兄(フィン・ウルフハード)は、死んだ祖父が遺した田舎の家に引っ越す。周囲は荒れ果てた小麦畑。屋敷のリビングの床には奇妙な仕掛けが施されていた。床下に謎の装置があり、ゴーストを捕獲するためのプロトンパックも見つかった。祖父は、かつてニューヨークを救ったゴーストバスターズの一員だった。フィービーは床下の装置を誤って開封してしまい、ゴーストたちが飛び出してくる。

監督はアイヴァン・ライトマンの息子ジェイソン・ライトマン。「マイレージ、マイライフ」「とらわれて夏」「タリーと私の秘密の時間」などの監督ですから、父親と違ってコメディを志向しているわけではなく、資質もコメディ向きではないようです。

残念ながらと言うべきか、この映画で最も面白いのはビル・マーレイなど旧作の俳優たちが出てくる場面で、旧作を見ている人たちはうれしくなるでしょう。エンドクレジットにシガニー・ウィーバーの名前が出てきて、「あれ、どこに出てたっけ」と思ったら、ESPカードのテストをビル・マーレイに対してやってる場面が始まって笑いました。

主演のマッケナ・グレイスは2017年の「gifted ギフテッド」で数学の天才少女を演じて大人たちの涙を絞った後、「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」「レディ・プレイヤー1」「キャプテン・マーベル」「マリグナント 狂暴な悪夢」と出演作が続いています。その兄役フィン・ウルフハードはNetflix「ストレンジャー・シングス 未知の世界」でおなじみ。というか、随分大人になったなという印象ですね。

「レイジング・ファイア」

ドニー・イェン主演の警察アクション。不祥事で逮捕され、警察官をやめて今は犯罪に手を染めているかつての部下(ニコラス・ツェー)たちとの激しい戦いを描きます。

今に始まったことではありませんが、香港映画はアクションに感心しながらも話が粗くて今一つ高く評価する気になれません。この映画でも2階から隣の建物の壁にぶつかって下に落ちたり、カースタントで人をはねそうになったり、すぐそばの爆発で人が吹き飛ばされたり。一部CGなどを使っているのかもしれませんが、危険なシーンが満載です。

アクションを生かすには物語にも力を入れた方が良いのは言うまでもありません。そのあたり香港映画では軽視されているのが残念。

監督はベニー・チャン。この映画が遺作になりました。エンドクレジットに撮影風景が流され、白髪で笑顔を絶やさないベニー・チャンの姿が印象的です。スタッフや出演者に愛された監督だったのでしょう。

「永遠の831」

「攻殻機動隊 S.A.C」の神山健治監督がオリジナル脚本で描く長編アニメ。WOWOW開局30周年記念作品と銘打たれ、1月30日の放送と同時にWOWOWオンデマンドで配信も始まりました。3月18日から劇場公開するそうです。

東京で新聞奨学生をしながら大学に通う浅野スズシロウは高校3年の時に起きたある事件をきっかけに周囲の時間を止める能力を持った。ある日、スズシロウは同じく時間を止められる少女に出会う。少女は兄によって犯罪に利用されていた、というストーリー。

SF的に少しもアイデアの発展がないばかりか、ドラマとしても面白みがなく、開局30周年記念にふさわしい作品とは思えません。監督のうまくない脚本を直してくれる脚本家をスタッフに入れた方が良かったと思います。