2011/05/11(水)「ザ・ウォーカー」

 バカにして見始めたら、面白かった。文明崩壊後の世界を舞台にしたアクション。序盤、デンゼル・ワシントンが大きな山刀で数人の敵を一瞬にして倒す場面でおおお、と思う。ワシントンは西を目指して30年間歩いている。1冊の本を届けるためだ。そういう貴重な本ということであれば、容易に想像がつくが、映画はモノクロームに近い単色系の色あせた画面で説得力のあるストーリーを展開する。ゲイリー・オールドマンが支配する街でのアクションを見ると、基本は西部劇だなと思う。オールドマンもその本を求めていて、ワシントンとの争いが始まることになる。

 ちょっと引っかかったのは東海岸から西海岸までいくら歩いてであっても30年もはかからないだろう、ということぐらいか。「マッドマックス2」のような世界を舞台にした佳作。監督はアルバート&アレン・ヒューズ兄弟。クレジットはThe Hughes brothersと出た。

 見ていて思ったのは本は強いなということ。電気のない世界では電子ブックなんて役に立たない。本は電気がなくても読むことが出来るし、紙が傷まない限りは数百年でも保存できる。iPadの発売以降、電子出版が注目を集めているけれど、本当の本好きは本から離れることはないだろう。ま、出張などで持って行くと、何冊でも入れられる電子ブックは便利ではありますけどね。