2004/03/28(日)「PERFECT BLUE」
今敏監督の6年前の作品。どんな映画か知らずに見たら、とても面白かった。アイドルグループを抜けて女優を目指した女をめぐって起こる連続殺人を描くサイコホラーで、ミステリとしてしっかり作ってある。終盤の真犯人登場シーンは、その扮装で謎のすべてが氷解する。衝撃的で、良くできていると感心。
この話は元がいいのだろうと思ったが、原作者の竹内義和はこう書いている。
「原作は、アイドルと、アイドルをつけ狙う変態ストーカーの対決という、とてもシンプルでハリウッド的ストーリーだが、アニメの方は、アイドルの心理的な葛藤が中心となって展開するヨーロッパ映画的ホラーとなっている」。
その通りで、今敏監督は現実と幻想を織り交ぜて、女優を目指す女の悩みを描き、深みのある映画にした。話としては「千年女優」よりもこちらの方がうまくまとまっている。
同じ原作は一昨年、サトウトシキ監督が実写で映画化している。予告編をみると、こちらは原作通りの映画化のようだ。