メッセージ

2005年12月18日の記事

2005/12/18(日)「香港国際警察 New Police Story」

 中盤のビルの屋上からロープで駆け下りるシーンから2階建てバスのアクションまでがこの映画の白眉だろう。ジャッキー・チェンのアクションにかける熱意には本当に頭が下がる。アメリカのアクション映画がつまらないのはこういう体技がないからで、「Mr. & Mrs. スミス」あたりの生ぬるいアクションで満足している人はアクション映画のファンではないと思う。ああ、そう言えば、「Mr. & Mrs. スミス」にもアンジェリーナ・ジョリーがロープでビルの上から優雅に下りるシーンがあった。あのシーンとこの映画のそれを比べれば、この映画の希少価値がはっきりするだろう。

 もちろん、映画の出来がどちらが上かと言われれば、それはまた別の評価基準(ストーリーのまとまりとか撮影とか俳優の演技とか)があるのだけれど、こういう体技にはどんな物量を使ったアクションでもかなわない。

 銀行強盗のグループに9人の部下を目の前で殺された刑事(ジャッキー・チェン)が若い巡査(ニコラス・ツェー)とともに強盗一味を追う物語。細部には破綻があるが、以前のジャッキー・チェンの映画に比べると、かなりまとまっている。ジャッキーがハリウッド映画に出たのはそういう部分ではプラスに働いたのだろう。ただし、ハリウッドに招かれていなければ、ジャッキーはこの種の映画をもっと撮っていたはずだ。

 監督はベニー・チャン。ツェーをはじめ、ダニエル・ウーやチャーリー・ヤンなど若い役者たちがいい。