2013/06/30(日)「発情アニマル」と「鮮血の美学」
映画オタクであるというデイヴィッド・ゴードン(「二流小説家」)の第2作「ミステリガール」に「アイ・スピット・オン・ユア・グレイブ」という映画のタイトルが出てくる。「1978年にメイル・ザルチ監督がイタリアで製作した知る人ぞ知るスプラッター映画」と説明があるので、これ、「発情アニマル」のことだ。レイプされた女性が加害者の男たちを血祭りに上げていくという復讐劇で、タイトルから分かるように日本ではポルノとして公開された(ので、僕は見ていない)。「悪魔のえじき」というタイトルでDVD化されているそうだ。
これには「アイ・スピット・オン・ユア・グレイブ」(2010年)という原題そのままのリメイク版があって、たしかWOWOWで見たと思ったが、違った。僕が見たのは「鮮血の美学」(1972年)のリメイク版「ラスト・ハウス・オン・ザ・レフト 鮮血の美学」(2009年)の方だった。なぜ、この2本がごっちゃになっているかというと、「鮮血の美学」はレイプされて殺された娘の復讐を両親がするという話なのだ。イングマール・ベルイマンの「処女の泉」(1960年)をモチーフにしたもので、ウェス・クレイブンが監督しているが、やっぱりスプラッターな内容である(といっても、これも僕は見ていない)。混じるのも無理はない。
リメイク版の方はけっこう面白くて、IMDBの評価は6.5。旧版(5.9)より評価が高い。日記を探してみたら、「志の低い作品だろうとバカにして見始めたら、サスペンスフルなバイオレンス映画としてまずまず良く出来ていて少し驚いた」と書いている。「発情アニマル」の方も旧版が5.5、リメイク版が6.2とリメイク版の方が高い。高いといっても、これぐらいの点数だと、マニア以外は積極的に見る必要はないんですけどね。