2005/04/08(金) 福岡出張
きょうまでの2日間。福岡も暑かった。相変わらず会議、懇親会、会議。宿泊も相変わらず東横イン西中洲。夜中に暑くてパジャマを脱いだ。それでも暑くて午前5時半ごろ目が覚めた。冷房をつけて再び寝る。7時半に起きたら、いきなり地震。まだ福岡県西方沖地震の余震が続いているのだった。
今回は会議の後に別件の用事があったので、映画を見る暇はなかった。帰りも早い便にしたし。きのう、会議まで時間があったので、博多駅前の紀伊國屋書店に寄って恩田陸「夜のピクニック」を買った。地下鉄七隈線にも乗ってみる。まだ新車のにおいがした。
子供へのおみやげに「博多きゃらまん」(キャラメル味の饅頭)を買ったら、「『通りもん』の方がおいしい」とのこと。
2005/04/04(月) 「入門xyzzy」
届いた。索引含めて456ページのボリューム。amazonには「ほんとにほんとの初心者向け」と否定的なカスタマーレビューがあるが、入門書としてはこれでいいだろう。
xyzzyは設定の部分で敷居が高いので、丁寧な入門書は大変役に立つと思う。僕はインストールして使えるようになるまで、多くのWebサイトを参考にさせてもらったが、Webページはいつかは消えていく。現にxyzzy関係でも2つの有用なサイトがなくなった。本格的に使うのに必要な事項を1冊にまとめた意味は大きい。
DVD-R10枚で997円
ホームワイドで。4倍速だし、プリンタブルでもないけど、安かったので買う。速度に関しては、うちのDVDレコーダーは4倍速なのでかまわない。
これに対してDVD+RWは1枚717円。5枚セットは置いてなかった。テレビ録画のDVDは画質が悪いので永久保存したくない。だから普段は+RWを使う。見たら消すのである。ただ、こんなに1枚当たりの価格が違うと、-Rでもいいかと思いますね。だいたい、見たら消すとはいっても、メディアがたまる一方でなかなか見る暇はないのだった。
編集
昨日撮影した神楽の編集を続行。編集といっても神楽の部分は3場面。始まる前の10数秒のカットに続いて、6分ほどの神楽が2回撮影してあるだけ。冒頭にタイトル、つなぎ目にワイプを入れただけで終わりである。ひとつのシーンが6分もあると、映画だったら長すぎると思うが、カメラ1台なので、カットを割れないから仕方ない。
これにエンドクレジットを作成。家内が撮影した静止画を加工してスタッフ、キャストの字幕も作成し、適当な音楽を入れる。このエンドクレジットの作成が一番面白い。画面の切り替え(トランジション)にはアイリスや暗転を使った。ただ、アイリスは開くやつしか入っていない。終わる場面では閉じるアイリスも欲しいところ。前回編集した時も思ったが、PremiereProは、やっぱり面白くてはまるなあ。
2005/04/02(土)大森望SFページはいつも工事中です
コンテンツがすべて消えてますけど、どうしてでしょうか。エイプリルフールのネタかと思ったら、ずーっと下の方に説明があった。「構想3秒、製作3分の10周年記念企画でした」とのこと。
void GraphicWizardsLair( void ); //を朝読んでコメントしようとしてしなかったんですが、要するに新聞で全角アルファベットを使うのは縦書きだからで、記事をWebに載せる際、半角に変換する処理を以前はしていなかっただけのことですね。“新聞記者の記法”というのとはちょっと違います。
僕が不思議に思うのは普通のメールやWebページで全角アルファベットを使う人がいること。普通にアルファベットを入力したら、たとえ、かな入力であってもF10かF8キーを押せば、半角に変換されるでしょう。それをわざわざF9キーを押して確定してるんですかね? ま、IMEによっても違うとは思いますがね。
とりあえず言えるのは全角アルファベットを使っている人が初心者っぽく見られても仕方ないということ。港区赤坂四畳半社長が全角アルファベットを使う理由について書いてますけど、これ3つとも理由とも言えないたぐいのことですね。
個人的に迷っているのはアルファベットじゃなくて数字の方。日本語の文章の中に半角の一ケタの数字が入ると、個人的にはちょっと読みにくい。で、一ケタの数字の場合は全角で2ケタ以上は半角で書いてます。これも好きずきじゃないかと思いますが。
ツッコミがあったので以下に引用。
突っ込んでみる。全角数字と半角数字どころか、漢数字が混在してるじゃないか。なんでやねん。
かな入力でATOKを使っているのだが、半角に変換?そんなことはしない。1byte半角文字は直接入力する。ATOKでかな入力にしていると、入力中の文字列がなければ「変換キー」で直接入力になるからだ。変換したり確定したりなどしない。かな漢字変換の途中に入力することはない。
ローマ字入力を使っていると、いったん全角のひらがなアルファベット混じりのわけのわからん表記になって、 それをFnとかで「元に戻して半角に変換」という回り道をしているようだな。
ATOKでローマ字入力で入力して英数字に変換する場合はF10キーを押す場合が多いですが、もちろん入力前に半角に切り替えて入力することもあります。入力する前に変換キーを押して半角入力にすると、全角に戻るために再度変換キーを押さなければなりませんよね。F10キーを使う場合はEnterキーで確定が必要なので、キーを押す回数はどちらも変わりません。入力方法に関しては人それぞれ癖もあるでしょう。というか、かな入力とローマ字入力で違うみたいですね。かな入力はワープロを始めたころにやって、すぐにローマ字入力に切り替えたので、詳細を忘れてます。
僕が気になったのは全角アルファベットの入力の方で、これは意図的に全角で確定しないと、ならないでしょう。
漢数字の混在に関してはご指摘の通り。「一ケタ」と「2ケタ」、「3つ」の混在ですね。「2ケタ」は「二ケタ」に変えようかと思ったんですが、まあいいかと思ってそのままにしておきました。
2005/04/01(金)「アビエイター」
「僕は飛行家(アビエイター)、ハワード・ヒューズだ」。新型機のテスト飛行で住宅地に墜落し、大けがを負いながらも脱出したヒューズ(レオナルド・ディカプリオ)が助けに来た男に名乗る。タイトル通り、映画は飛行家としてのヒューズの側面を強調した作りになっている。終盤、海外路線の独占を巡るパンナムとTWAの対立でヒューズが公聴会に呼ばれるシーンが全編のハイライト。パンナムの代理人としか見えない上院議員のオーウェン・ブリュースター(アラン・アルダ)の追及にヒューズが颯爽と切り返す場面はジェームズ・スチュアート「スミス都へ行く」の昔からハリウッド映画が得意とするところである。ただし、ここでヒューズが論拠とするのは民主主義でも自由でもなく、「そっちも悪いことやってるんだから、お互い様じゃないか」という論理。ヒューズの飛行機(航空ビジネス)にかける情熱は伝わるものの、気分的に必ずしも晴れ晴れとしないのはそのためだ。直前まで精神的に追いつめられていたヒューズが公聴会で急に立ち直って鮮やかな弁舌を繰り返すのも説得力を欠く。
映画はヒューズが400万ドルを投じた「地獄の天使」やジェーン・ラッセルの胸の露出具合が問題となった「ならず者」の映画製作を描きつつ、キャサリン・ヘップバーン(ケイト・ブランシェット)との愛を描き、やがてTWAを手に入れたヒューズがパンナムと対立する様子を描いていく。ヒューズの病的な潔癖性や精神的におかしくなっていく描写を挟んではいるが、こうしたエピソードを並べただけの脚本は決してうまくない。本筋は映画製作の方ではないのだから、前半を簡略化して後半のパンナムとTWAの対立の部分をもっと詳しく描いた方が良かったのではないか。2時間49分もかける必要があったかどうか疑問なのである。大作であり、力作ではあるけれど、マーティン・スコセッシ演出に切れ味の鋭い部分は見あたらない。そういうところがアカデミー賞に11部門もノミネートされながら、主要部門には食い込めなかった原因だと思う。
大作だから仕方がないのだが、ヒューズの人間性も十分に描いたとは言えない。病的な潔癖性、自分以外を汚いと感じる意識は差別意識が高じたもののように思える。その原点が冒頭に描かれるのだけれど、これだけでは不十分だろう。精神分析的視点が脚本から欠落している。だからヒューズに起こった出来事をなぞっただけの映画に終わるのである。生まれつきの富豪の男がどういう考えを持っていたのかもっと知りたくなる。
レオナルド・ディカプリオは相変わらずの童顔と幼い声がマイナスで迫力に欠けるが、「ギャング・オブ・ニューヨーク」よりも違和感はなかった。後半、ひげを生やしたあたりから少し年齢的に苦しくなるにしても、ヒューズの若いころからの20年間に時代を絞ったことが功を奏している。アカデミー助演女優賞を受賞したケイト・ブランシェットはいつものようにうまい。助演男優賞にノミネートされながら受賞は逸したけれど、アラン・アルダの憎々しい上院議員やヒューズを補佐するジョン・C・ライリーもこの映画を支えていると思う。
2005/04/01(金)「約三十の嘘」
登場人物を紹介する冒頭を除いて、列車の中だけで話が進行する。クレイジーケンバンドの音楽に乗って、6人の詐欺師のグループがお互いに騙し騙される姿をミステリータッチで描く。いや、ミステリータッチというよりも、この映画におけるミステリー的な部分は入り組んだ男女関係、人間関係を描くために使われた感じがある。監督の大谷健太郎(「とらばいゆ」)がやりたかったのはこの男女関係の方なのだろう。狙いは悪くないし、中谷美紀の好演が光るのだけれど、こういう映画にほしい都会的なタッチになりきれていない。中谷美紀を巡る男女関係が少し重たいのがその理由だが、他の役者が弱いためもある。椎名桔平に中谷美紀の目を潤ませるほどの魅力が感じられない。田辺誠一、妻夫木聡、八嶋智人は可もなく不可もなしといったレベル。伴杏里は少なくとも、中谷美紀より美人じゃないと困る(ただ、伴杏里、純情そうでいてそうじゃない二面性もそれなりに演じている)。こういうタイプの映画は嫌いではないが、よりいっそうの洗練されたタッチが望まれるところ。これに比べると、伊坂聡「g@me.」はうまかったなと思う。
詐欺師グループだった男女が3年ぶりに集まり、新しいヤマを始める。集まったのは、元リーダーの志方(椎名桔平)、美貌の女詐欺師宝田(中谷美紀)、宝田とコンビを組む横山(八嶋智人)、今回のヤマを企画した久津内(田辺誠一)、元アル中の佐々木(妻夫木聡)の5人。今回のヤマは偽物の羽毛布団を30万円で売る計画だった。グループは豪華な寝台特急で大阪駅から北海道に向かう。志方は凄腕の詐欺師だったが、3年前のある出来事がもとで今はくたびれた感じで、のど飴中毒みたいになっている。3年前、一味が手にした大金を今井(伴杏里)に持ち逃げされ、その結果、仲間がばらばらになったためだ。その今井が京都駅で列車に乗り込んでくる。今井に思いを寄せる久津内が仲間に引き入れたのだった。
ここから映画は今井が入ったことによるごたごたをさらりと描いて、帰りの列車内に舞台を移す。肝心の詐欺の場面がないのは元が戯曲(土田英生作)だからだろうが、本筋に沿っているのでこれは賢明な在り方。詐欺の上がりは7000万円だった。3年前のように仲間に持ち逃げされないように、金を入れたバッグとダミーを含めた鍵5個を6人がそれぞれに持つが、翌朝、バッグの中身がジャガイモとすり替えられているのが分かる。
果たして犯人は誰か、どのようにすり替えたのか。という謎はすぐに観客に明かされる。それから話は転々とするのだが、ミステリー的には大したことはない。6人のそれぞれの計画と思惑が交錯していくところに中心がある。残念ながら、それが十分に面白くなっていかない。ミステリー的にもちゃんとしたものを作らないと、こういう映画は成功しない。コンゲームの面白さを含めつつ、ユーモラスな場面とリアルな心情を絡める映画はなかなか難しいのだろう。